メーカー各社の過去25年で最も重要な製品は?

DPReviewが同誌の25周年記念企画として、各カメラメーカー、レンズメーカーに過去四半世紀で最も重要な製品を聞いています。

Most significant cameras and lenses of the last 25 years, according to the manufacturers

  • DPReviewの25周年記念の一環として、我々はメーカーに過去四半世紀で最も重要な製品について振り返るように依頼した。

  • ニコン(Z9):「Z9だと思う。並列読み出しのセンサーによって可能になった機能は、技術的にも画期的だ」「当社の歴史で最大の挑戦の1つが電子シャッターで、デュアルストリーミングにより、裸眼で見ているものと全く同じものをカメラで見ることができる。これは一眼レフではできなかったことだ」

  • 富士フイルム(X100):「これは、我々がエントリーレベルのコンパクトカメラからステップアップした最初のカメラだった。スマートフォンが普及し、コンパクトカメラの需要は急速に減少していたが、我々はこの業界で事業を継続し、成長していきたいと決意していたので、どうすればビジネスモデルを変えられるか真剣に考えた。X100 がなかったら、我々はここにはいなかっただろう。X100の成功は我々に自信を与えてくれた」

  • ソニー(RX1とGMレンズ):「個人的な観点から言えば、RX1とα9という 2 つのカメラがある。RX1は我々の写真文化の始まりだ。RX1はそれ以前の状況とは明らかに違う世界で、とても思い出に残る開発だった」「レンズでは最初のGMがとても印象に残っている。このGMから技術の向上が加速し、ユーザー層も変わっていった。この時点から非常に勢いがついた」

  • タムロン(28-75mm F/2.8): 「おそらく初代の28-75mmだろう。(ワイド端の)焦点距離を24mmから28mmに変更した新しいコンセプトだったが、ユーザーはこれを受け入れた。その後、我々は変わり始め、ユニークな(他にはない)レンズの開発を始めた」

  • シグマ(35mm F1.4 Artと18-35mm F1.8 Art):「このレンズはシリーズ初のArtレンズで、Art、Contemporary、Sportsの3シリーズ導入後の最初のレンズだ。もし35mm F1.4の発売で失敗していたら、シグマは今日まで生き残っていなかったかもしれない」「もう1本選ぶとしたら、APS-C用の18-35mm F1.8だろう。初のF値1台のズームレンズを出したかった、それが唯一の動機だった。このレンズの発売をきっかけに、シネレンズビジネスに興味を持ち始めた」

  • OM SYSTEM(CAMEDIA C-2000 ZOOM):「1つ挙げるなら、それはCAMEDIA C-2000 ZOOMだ。デジタルカメラが発売される前は、カメラを使い楽しんでいる人は限られた人たちだけだった。デジタルカメラは世界中の多くの人の文化に影響を与えた。フィルムからデジタルへの変化は大きな印象に残った」

  • キヤノン(EOS Kiss Digital):「EOS Kiss Digitalはフィルムからデジタル一眼レフへの移行において非常に重要な役割を果たした」「もう1つ追加できるなら、当社のミラーレスのヒーローであるEOS R5になるだろう」

  • パナソニック(LUMIX DMC-G1):「LUMIX G1を選ぶ。15年前にはミラーレスを使用するプロの写真家は一人もいなかったが、今ではほとんどすべてのプロの写真家がミラーレスを使用している」

 

ニコンのZ9はメカシャッターレス化したエピックメイキングなカメラで、重要な製品としてピックアップされるのもわかりますね。ただ、過去25年だとD1もギリギリ対象になるので、こちらもニコンの重要な製品に入れてあげたいところです。

ソニーは同社の写真文化の始まりとしてRX1を選んでいますが、Eマウントフルサイズ初号機のα7ではなくコンパクトのRX1を選んでいるのが面白いところです。GMレンズは、このシリーズの投入からソニーの快進撃が始まっているので納得のいくところです。

タムロン28-75mm F2.8は、F2.8通しの標準ズームをより手軽なものにしたという意味では、確かに重要な製品かもしれません。シグマ35mm F1.4 Artは高画質な単焦点の流れを造ったレンズで、Artシリーズの影響でカメラメーカーのレンズ造りも変化しましたね。

OM SYSTEMが選んだのは黎明期のコンデジCAMEDIA C-2000で、今はもう存在しないシリーズなので懐かしいですね。この他に挙げるとすればOM SYSTEMでは、フォーサーズ初号機のE-1も候補になりそうですね。

キヤノンはKiss Digitalで、このカメラでデジタル一眼が一気に身近な存在になり、デジタル一眼の普及に大いに貢献しましましたね。あと挙げるとすれば一眼動画を普及させた5D Mark IIあたりでしょうか。

パナソニックのG1はレンズ交換式ミラーレスの第1号機で、これは誰もが納得のチョイスといってよさそうです。