DUTIN ABBOTに、シグマの新しい大口径標準単焦点レンズ「50mm F1.2 DG DN Art」のレビューが掲載されています。
・Sigma 50mm F1.2 DG DN | ART Review
- シグマの35mm F1.2 DG DNは光学性能は素晴らしかったが、巨大で重さも1090gもあった。しかし、50mm F1.2 DG DNは遥かにコンパクトで、重さも760gとかなり控えめだ。このレンズのサイズはソニーFE50mm F1.2 GMと近く、重さはGMよりも38g軽い。
- このレンズはシグマの最新技術が結集されており、予想通りF1.2でも信じられないほどシャープだ。
- フォーカスリングは幅が広く、非常に良好な抵抗感がある。動きはGMよりも重いが、より正確に動かすことができる。フォーカスリングはモーターによる駆動だが、MFの動作はとても素晴らしく、本物(機械式のフォーカスリング)にかなり近いと感じる。Lマウントではリニアとノンリニアの調整が可能だ。
- 鏡筒の品質はとても素晴らしく、ずっと高価なGMとほぼ同等だ。
- 最短撮影距離は40cm、最大撮影倍率は0.16倍で、GMの0.17倍よりもわずかに低いが、近接時の性能は非常に優秀で開放でも優れたコントラストとディテールが得られる。
- AFはHLAが採用され、迷うことなく必要な場所にほぼ瞬時に正確にピントが合う。AFはキビキビしていて、作動音も静かだ。HLAはステッピングモーターのAFに比べて明らかに改善している。ポートレートの撮影では、AFで瞳を簡単に追うことができた。
- 動画のAFは滑らかかつ高速で、迷いや揺れは見られない。フォーカスブリージングは50mm F1.4 DG DNよりも優れている。
- 歪曲は非常によく抑えられており、周辺光量落ちも深刻なものではない。歪曲と周辺光量落ちは50mm F1.4 DG DNよりも確実に良くなっている。
- 軸上色収差は非常に良く補整されている。50mm F1.4 DG DNはラボテストでは優秀だったものの実写では色にじみが多く驚いたが、50mm F1.2 DG DNは実写でも色にじみはほとんど見られず感銘を受けた。
- 解像力はα7R Vでも開放から高く、中央が素晴らしくシャープなだけでなく、画面全域で均一にシャープだ。ソニー50mm F1.2 GMとの比較では中央の解像力はシグマが優れており、隅はGMが優れている。50mm F1.4 DG DNとの比較では中央と中間部は50mm F1.2 DG DNが優れており、隅は50mm F1.4 DG DNが少し優れている。ソニー50mm F1.4 GMとの比較では中央はGMがシャープだが、隅はシグマ50mm F1.2 DG DNが優れている。これはシグマ50mm F1.2 DG DNをF1.4に絞って比べた場合でも同様だ。
- 解像力テストの結論:シグマ50mm F1.2 DG DNは最もシャープな50mmと競合するレンズだ。
- ボケは予想通り非常に優れているが、並外れているわけではない。玉ボケはかなり綺麗で、年輪ボケも見られない。後ボケは柔らかいが、うるさい背景ではGMよりも少し輪郭が目立つ。ポートレートではモデルのシャープさは気に入ったが、背景のボケは望んでいたほどは柔らかくなかった。
- 発色は全体的に非常に素晴らしい。
- 逆光耐性はしっかりしており、開放ではゴーストやフレアはほとんど見られないが、絞り込むと少しフレアが見られる。
- シグマ50mm F1.2 DG DNの光学的な欠点は少ないが、私はソニー50mm F1.2 GMの方が少し優れていると思う。これは直感的な印象で、実証するのは難しいだろう。
- シグマ50mm F1.2 DG DN Artは大きさ重さを抑えながら、優れた光学性能を実現している。価格は50mm F1.4 GMと近いので、このレンズが直接のライバルになるだろう。シグマ50mm F1.2 DG DNの弱点は非常に少ないが、私の主観では50mm F1.4 GM、F1.2 GMの描写とボケ味の方が若干好みだ。
- 良い点:素晴らしい造り、防塵防滴、多くの機能、50mm F1.2 GMより若干軽い、AFがキビキビしていて静か、ポートレートでAF精度が高い、優れた動画時のAF性能、フォーカスブリージングが少ない、最高の50mm F1.2に匹敵する解像力、色収差が素晴らしく良く補整されている、歪曲が少ない、周辺光量落ちが穏やか、しっかりした逆光耐性、滑らかなボケ、純正の50mm F1.2よりずっと安価。
- 悪い点:ボケがGMほどクリーミーではない。
シグマの50mm F1.2 DG DN Artの解像力はずっと高価なFE50mm F1.2 GMと同等という評価で、色収差や歪曲も抑えられていて、申し分のない光学性能と言ってよさそうです。
ただ、ボケに関してはシグマはソニーGMほど柔らかくはなく、ポートレート用には少し硬いという評価で、レビュアーの好みではF1.2 GMとF1.4GMに軍配が上がったようです。とは言え、これは個人の好みのレベルでの話なので、50mm F1.2 DG DNとFE50mm F1.2 GMは性能的にはいい勝負と言ってよさそうです。
おみ
性能はほぼF1.2GMで低価格、質量とサイズがコンパクト。ただどんな層に売れるのか気になった。仕事で使う分にはF1.4でもオーバースペックなのでF1.2を選ぶ理由は無い。
私物としてF1.2を持つ時に数万の差であればF1.2GMを選び所有欲やリセールバリューを期待します。
Eマウントの50mmレンズについてハイスペックなF1.4、F1.2は豊富ですが安価なF1.8の選択肢が少ない。純正F1.8は2016年発売でAF激遅。シグマやタムロンからはリリース無し。
シグマのArtシリーズ近年は小型化も実現できているので今回のF1.2に関してはArtシリーズの今後についても表していると感じました。