キヤノン「RF24-105mm F2.8 L IS USM Z」はスチル用としては限られたメリットしかない

Fstoppersに、キヤノンのパワーズーム対応の大口径標準ズーム「RF24-105mm F2.8 L IS USM Z」のレビューが掲載されています。

Review of Canon RF 24-105mm f/2.8L IS USM Z

  • 24-105mmのズームは最も柔軟性のある標準ズームだが、ほとんどの24-105mmの明るさはF4なので。キヤノンがRF 24-105mm F2.8Lを発表したときに大いに期待した。しかし、レビュー用のレンズは期待していたレンズとはまったく異なるものだった。このレンズはRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMとほぼ同じ重さで、これはこのレンズが日常用のレンズではないことを示している。
  • 絞りリングは無段階で動画に理想的だが、動画でのみ使用可能でスチルでは絞りリングは機能しない。

  • 画質は全体的にシャープさが印象的で、特に中央は素晴らしい。絞ると隅のシャープさが若干改善する。
  • 玉ボケは隅では猫の目状になるが、F5.6まで絞ると解消する。
  • 歪曲は24mmでは極端に強いタル型で、これはカメラの設定にかかわらず自動補正が強制されるほど深刻なものだ。このために、F2.8では隅の画質が若干低下する。しかし、このレンズは動画に主眼を置いたレンズで、16:9のアスペクト比で使用すると、画質が最も弱い部分(四隅)は画面外になる。
  • ズームしてもピント位置は変わらない(パーフォーカル)。これは動画に最適だ。一方で、ピントを動かすと被写体の大きさは少しだが変化する(ブリージングが見られる)。これはわずかだが、場合によっては目立つことがある。
  • 逆光ではフレアが見られるがそれほど気になるものではない。
  • パワーズームアダプターを使用すると一定速度で滑らかな焦点距離の調整が可能だ。

  • 結論:最初はこのレンズにワクワクしていたが、その後、どれほど大きく重いかが分かって気が変わった。このレンズは大きすぎ重すぎで日常用途には向かないと思う。このレンズは快適な使用感の高品質な製品で、特にズームリングは使いやすいが、F4通しの24-105mmと比べて画質の大きな向上は見られずスチルカメラマンには限られたメリットしかない。このレンズのメリットは動画に最適なパワーズームアダプターが使用できることだ。
  • このレンズを購入するべきだろうか? ノーだ。このレンズにはRF24-105mm F4Lにはない多くの機能を備えているが、遥かに大きく重く高価で、インナーズームやファンクションボタン、三脚座などが必要でない限りは、多くの人にとってRF24-105mm F4Lの方が良い選択だろう。

  • 気に入った点:ズーム全域でF2.8、ギアの付いたズームリング、滑らかで抵抗感のあるフォーカスリング、ズームでピントが変わらない、望遠端開放時の素晴らしいボケ味、ファンクションボタン、取り外し可能な三脚座、絞りリング、全体的なシャープさ、パワーズームアダプター対応、単独で5.5段(協調で8段)の手ブレ補整。
  • 気に入らない点:大きさ重さ、スチルの撮影時に絞りリングが機能しない、大きくピントを動かすと少しブリージングが見られる、歪曲の大きさ(自動補正でほとんど除去される)、ブラックマット仕上げは表面に傷が付きやすい。価格が高い(特にパワーズームアダプター込みでは)。

 

ここではRF24-105mm F2.8 Lの画質はRF24-105mm F4Lからそれほど大きな改善はなく、スチルでのメリットは限られているという評価ですが、確かに、このレンズはスチルで移動しながらの撮影で使うには大きすぎ重すぎで、F値が1段分明るいメリットよりもデメリットが上回るかもしれませんね。また、スチルで絞りリングが使えないのもマイナスポイントですね。

ただ、動画も撮る人や動画メインの人なら、F2.8の明るさはもちろん、パワーズームやパーフォーカル、インナーズーム、クリックレスの絞りリングなどの恩恵は非常に大きいので、この大きさ重さと価格も納得できるかもしれません。