OM SYSTEM「OM-1 Mark II」のダイナミックレンジはフルサイズ機に優っている

DigitalCameraWorldに、OM SYSTEM OM-1 Mark II のレビューが掲載されています。

OM System OM-1 Mark II review: the camera that will make you jealous

  • OM-1 IIの価格は2399ドルで、センサーサイズから考えると高すぎると感じるかもしれないが、その機能を実際に目にすると、非常に適切な価格のカメラだ。
  • ボディは軽量にもかかわらず造りは非常に堅牢だ。
  • 超音波によるゴミ除去機能は他ではそれほど言及されていないが、これは重要な機能で、ソニー製のカメラでレンズ交換でゴミが付着してしまったことが何度あるかわからない。
  • 576万ドットEVFは画像の細部までチェックすることができ、実に素晴らしい。
  • GNDはオンボードRAMの増加によって実現されており、その効果は見事だ。
  • 8.5段分の手ブレ補正は150-600mmの換算1200mmで撮影できる。スチルでも動画でも画像は全く揺るがない。
  • AFは改善されており、被写体認識による追尾性能が大幅に向上している。飛行中の鳥を追尾できるようになっただけでなく、人間用のAI検出のAFも導入された。これらはRAM容量が増加された結果実現されている。
  • 鳥や人間の撮影でAFが手前の物体に騙されて合焦してしまいそうな場合でも、これまで以上に被写体検出は確実に動作することに驚いた。
  • OM-1 II の弱点は動画機能で、性能は悪くはないが、G9IIのような動画重視の機種には及ばない。動画時の手ブレ補正は強力でAFも優れているが、8bitの動画には面白みが無く、10bit時にはヒストグラムが表示されず、露出をモニターできないという不可解な問題がある。

  • ラボテスト(解像力):画素数がわずか2040万画素なので、解像力において高画素機に優ることはなかったが、センサーが小さいにもかかわらずEOS R6 Mark II にこれほど近付いているのは印象的だ。

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  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):OM-1 II はダイナミックレンジの点ではフルサイズ機に匹敵し、実際にトップの成績だ。これは素晴らしいパフォーマンスだ。

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  • ラボテスト(S/N比):S/N比は比較した機種の中でトップではないが、少なくともテストしたISO範囲全域でZ7IIやα7 IVと同等だ。

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  • OM-1 II が単なるOM-1のファームウェアアップデート版だという誤解が払拭されることを願っている。OM-1とOM-1 Mark IIは外観は似ているが違いは非常に大きく、OM-1 II はオリジナルのOM-1ではできなかったことを実現している。高感度ノイズに関してはフルサイズに匹敵し、ダイナミックレンジはフルサイズを上回っている。改良されたAFは野鳥の撮影で非常に信頼性が高い。
  • OM-1 II は驚くほどの耐候性のある究極のアウトドアカメラだ。アウトドア写真家であれば、これ以上のカメラは思いつかない。コンピューショナルフォトはまさに魔法で、他のカメラでは不可能な撮影ができる。

  • 良い点:ソフトウェアベースのND / GNDフィルター、8.5段分の手ブレ補正、120コマ/秒のレン者、IP53規格のシーリング。
  • 悪い点:2040万画素の解像度、被写界深度が深い、オリジナルのOM-1に外観が非常によく似ている、未だにSDカードを使用している。

 

OM-1 Mark II はOM-1のファームウェアアップデード+α程度のマイナーチェンジモデルと評価されることも多いですが、DigitalCameraWorldのレビュアーはMark IIとの違いは非常に大きいと述べており、AFや画質を含めて極めて高い評価になっています。

特にラボテストでは高感度ノイズではフルサイズ機並み、ダイナミックレンジに至ってはフルサイズ機を超える結果を出しており、センサーサイズを考えるとこれは驚きの結果ですね。OM-1 Mark II のセンサーはOM-1と同じはずですが、なぜここまで良い数字がでるのか少々不思議です。

AFに関しては、OM-1の懸案事項だった鳥などの撮影で手間の草木などに合焦する傾向が改善しているということで、AFは着実によくなっていると見てよさそうですね。