「PENTAX 17」はフィルムカメラの本物の体験を味わえるカメラ

PetaPixelに、リコーのハーフサイズのフィルムカメラ「PENTAX 17」のレビューが掲載されています。

Pentax 17 Review: A Brand-New Film Experience Worth Having

  • PENTAX 17 は、大手ブランドからほぼ 20 年ぶりに発売されたフィルムカメラだ。PENTAX 17 が新しい写真家の心を掴むかどうかは賭けだが、それは勇気ある賭けであり、カメラ自体にはかなりの魅力がある。
  • ファインダーは美しく見え、非常に明るいフレームラインが特徴だ。ファインダーのフレームラインが撮影された画像に非常に正確に反映されていることに感銘を受けた。近距離の撮影でもフレームラインは非常に正確だった。
  • ハーフサイズなので1本のフィルムで2倍の写真が撮れるのは大きなメリットだ。また、縦位置に慣れているスマートフォンで撮影していた人は、このカメラを容易に使えるだろう。
  • このカメラはボタンを1回押すだけで撮影できるカメラではなく、撮影の体験を目的としており、このカメラの楽しさの大きな部分は親指を使う巻き上げ機構だ。フィルムの装填、巻き上げ、巻き戻しはどれも本格的な体験で楽しめる。ペンタックスがこのプロセスを手動で行うことを決定したのは喜ばしいことだ。

  • このカメラにはレンズを開放にするモードを除けば、絞りを直接設定することはできない。
  • レンズは適度にシャープで、フレアもかなり上手く抑えられている。
  • このカメラは上部と下部のプレートがマグネシウム製であるにもかかわらず重さは300g弱と非常に軽い。カメラの全体的な作りは予想以上に良く、ダイヤルやスイッチは調整しやすく、カチッと音がしてしっかりと固定できる。しかし、レンズハウジング部分を中心に一部がプラスチッキーな感じがするので、このカメラはおもちゃのようには感じないが、高級なツールにも感じられない。
  • ゾーンフォーカスのピント精度には正直懐疑的だったが、十分被写界深度内に入っており、ほとんどの状況で上手く機能する。近距離のポートレートでも狙い通りに機能した。
  • 露出補正ダイヤルはコンパクトだが使いやすい。
  • シャッター速度や絞りは表示されないので、低感度のフィルムを使用していると、シャッター速度が遅くなりすぎてブレていることに写真が戻ってきて初めて気付くことになる。ファインダー内に暗い場合の警告ランプはあるが、もう少し露出の詳細な情報が欲しい。
  • 露出はほぼ自動で、手動制御の体験を求める人はがっかりすだろう。露出計は中央重点測光で光が画面全体で均一な場合は上手く機能するが、画面内に光源がある場合などでは適正な露出を得るのに苦労する。フィルムカメラが初めてのユーザーは、適正な露出のためにある程度努力が必要かもしれない。
  • フラッシュは出力が弱く、光が非常に強く見える傾向がある、

  • ハーフサイズの画質は粗いが、レンズはある程度のシャープさを実現している。PENTAX 17はフィルムカメラの楽しさを再現しているカメラで、フィルムを装填し巻き上げる感覚や、露出を学び、できの悪い写真と格闘した後に素晴らしい写真を撮るという経験を全て味わえる。このカメラはフィルムカメラを初めて使う人に、フィルムカメラの本物の体験を提供するカメラだ。
  • このカメラを購入するべきだろうか?イエスだ。初めてフィルムカメラを体験したいなら、PENTAX 17はスタイリッシュで機能的なカメラでありながら、基本を学ぶ機会と楽しさを提供している。

 

PENTAX 17はフィルムによる撮影を大いに楽しめるカメラに仕上がっているようですね。特にこだわりのフィルム巻き上げ機構の出来はかなり優れているようで、どのような感触なのか店頭で確かめてみたいところです。また、ファインダーの視差が少ないのもポイントが高いですね。

レンズはシャープすぎずソフトすぎずでフィルムコンパクト用として良いバランスだと感じますが、画面に太陽を入れてもあまりフレアやゴーストが出ない逆光耐性の高さは現代のレンズですね(サンプル画像)。