キヤノンのAIアップスケーリングはこれまでの考え方を完全に変える機能

DigitalCameraWorldに、キヤノンEOS R1とEOS R5 Mark II のAIアップスケーリングとAIノイズ除去に関する記事が掲載されています。

OH. MY. GOD. Canon's in-camera AI is going to change everything

  • EOS R1とEOS R5 Mark IIの新技術の中でも最も驚くべきものは、AI とディープラーニングを活用したカメラ内ニューラル ネットワーク処理の組み込みで、400%カメラ内アップスケーリングと 2stopのノイズ低減を実現する。これは実に素晴らしい機能だ。

    Topazなどのポストプロダクションソフトでは、画像拡大時に推測とAIを使用してデータを補間し、完全に作り出す必要があるが、キヤノンの技術では撮影時にカメラに記録された情報を使用して画像に関するすべてを把握するので、何も推測する必要がない。

    キヤノンのソフトウェアは、使用したレンズ、その光学系によって生じる収差、ISO感度とそれがもたらすノイズ、絞りとそれがぼけに与える影響、ホワイトバランス、ビット深度を把握している。つまり、これらの値を推測するだけのサードパーティのアップスケーリングソフトウェアとはレベルが違う。

    画像のアップスケールは簡単だが、面倒な点もいくつかあり、一度に 1 枚ずつ画像を選択するのは (一括読み込みする場合でも) 少々面倒だ。また、カメラに多くの画像が保存されている場合 、どこに保存したかを探すのは非常に面倒だ。 また、現時点では、アップスケーリングは RAWではなく JPEG または HEIFでのみ機能する。

    キヤノンはこれらの機能をDPPに実装しており、Adobe製品向けにニューラルネットワーク画像処理用のプラグインをリリースしているので、これらの処理は間もなくデスクトップでもできるようになる。

    ノイズ低減機能に関してはアップスケーリングほど派手でも印象的でもないが、非常に高い感度を使う人にはこれは画期的な機能だ。ノイズ除去では失われたディテールは回復しないが、暗部の汚れは全て除去される。しかし、ノイズ低減機能は工程が多くアップスケーリングに比べるとより面倒だ。

    この操作の面倒さはさておき、これらのAI機能は我々の考え方を完全に変えると私は信じている。ある意味ではEOS R5 Mark IIは非常に非常にクリーンな高感度ノイズ性能を備えた1億8000万画素カメラだ。この品質でアップスケールできるのに、なぜわざわざクレイジー画素数の高価なセンサーを作らなければならないのだろう。

    そして、この機能を小型センサーのPowerShotに応用すると、ポケットサイズのカメラから得られる画像がどれだけ向上するだろうか。キヤノンのカメラ内AI機能が全てを変えることになるだろう。

 

元記事のサンプルを見ると、確かにAIによるアップスケーリングとノイズ除去は非常にハイレベルの機能のように思えます。この機能が優れている理由について、既存の後処理用のソフトに比べると、カメラがアップスケーリングやノイズ除去に利用できる情報が多いことが挙げられていますが、これは確かに納得の行く理由だと感じます。

今後、このAIアップスケーリングとノイズ除去が更に進化していくと、レビュアーが言っているように、カメラの画素数や高感度ノイズに関する考え方が変わってくるかもしれませんね。