ソニーはAIでクラウドのマシンパワーを活用するためにクラウドとの接続機能を強化していく

DPReviewに、ソニーのレンズテクノロジー&システム事業部長とイメージングエンタテインメント事業部長のインタビューが掲載されています。

"We have to meet all of their expectations" Sony talks diverse markets, AI and global shutters

  • 過去5年間と比べると、クリエイターの範囲はより多様化している。このため、スチル撮影者から動画撮影者、若者から高齢者、男性から女性まで、すべてのクリエイターの期待に応えなければならない。
  • 市場全体の規模は縮小するだろうと考えていたが、実際は非常に安定している。市場規模は2024年も引き続き安定していると想定しており、ミラーレスとフルサイズの市場全体は拡大すると考えている。
  • カメラの機能だけでなく、ユーザー個々人に合わせてマーケティングをカスタマイズする(さまざまなタイプのユーザーを満足させる)ことが鍵になると思う。
  • 当社は多様なボディーを扱っているが、すべて単一のマウントを使用している。これは非常に良いコンセプトだと思う。これによってさまざまな顧客層にリーチできる。
  • 我々は(AIの活用方法で)クリエイターが望むように撮影できるように支援する方法、つまり、クリエイターの洞察をカメラ機能に実装する方法に重点を置く。我々はポストプロダクション(後から処理する)機能だけでなく、より多くのリアルタイム機能も提供する。これらは、我々がこれまでに目にしてきたものを超えるものになる。AIAFを使用してAF機能を加速する余地はまだある。カメラ本体だけでなく、レンズの機能もAIパワーを活用することで改善する余地がある。
  • 機械学習は(現在は)クラウドで計算され本体に実装されている。そのAIを(カメラの)本体で実行した方が良いかどうかは分からない。例えば、より複雑なレンズ補正もクラウド側で実現できる。カメラ本体ではマシンパワーの関係で複雑な処理は難しいが、クラウドならより複雑な補正を実現できる。いずれにしても、本体側でもクラウド側でもAIの力を活用しなければならない。そのため、クラウドへの接続機能を強化していくのが当社の方向性だ。
  • 当社は、PDT-FP1ポータブルデータトランスミッターをリリースしたばかりだ。これは最初のステップだ。今後は、これらの機能を利用してクラウド内でデータを調整し、カメラに戻す予定だ。
  • (グローバルシャッターについては)大きな将来について考える前に、α9 III のグローバルシャッターの利点を市場に広める方法に焦点を当てる必要がある。したがって、まずはプロから始めることが鍵で、今のところ、プロ市場でグローバルシャッターの利点を広める方法に焦点を当てている。

 

ソニーは、カメラ内ではできないようなマシンパワーを必要とする処理はクラウドで処理してからカメラに戻すようにしたと考えているようです。今後はカメラをサーバーに接続して使用するのが当たり前の時代になるのかもしれませんね。

また、AIのリアルタイム機能(AF関連?)に関しても、これまでに目にしたことのないような機能が実装されるということで、将来の機種への実装が楽しみです。

グローバルシャッターは、しばらくはプロ用機のみに採用されることになりそうで、すぐにミドルクラスに降りてくることはなさそうな雰囲気ですね。