ミラーレスカメラの平均単価は2年間で24.5%上昇

BCN+Rに、最近のミラーレスカメラの販売動向に関する記事が掲載されています。

パリ五輪でプロもミラーレス化、一般ユーザーは価格高騰についてこれるか

  • レンズ交換型カメラ全体では、ミラーレスの販売台数構成比は95%以上。被写体が激しく動くスポーツ撮影では、一眼レフが有利と言われていたが、プロの世界でも、ついにミラーレスの時代に切り替わった。しかし、気になるのは価格の高騰だ。
  • ミラーレスの販売台数メーカーシェアは7月現在で、ソニーが49.7%とほぼ半数を握り、次いでキヤノンが20.2%、ニコンが12.6%という構造。ソニーは6月の33.3%から急激にシェアを上げた。8月1日に同社が実施した値上げの影響だ。値上げ前の駆け込み購入で売り上げが積み上がった。

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  • 特に売れているのがソニーの大ヒット商品「ZV-E10」。22年7月以降25カ月連続で販売台数1位を維持している。特にこの7月の販売台数シェアは3割に迫る29.3%。驚くべき売り上げを記録した。人気の秘密は価格の安さだ。
  • ミラーレス市場全体の平均単価(税抜き、以下同)も上昇している。22年7月時点では13万5100円だったが、この7月には16万8200円と実に2年間で24.5%も上昇した。ミラーレスの平均単価とドル円相場の動きを比較すると、これらは連動している。ドル円相場の上昇に、やや遅れてミラーレスの平均単価が上昇する傾向にあるようだ。3年前の21年7月の価格を1とした指数で動きをみると、上昇率の大きさが分かる。

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  • 平均単価が上昇する一方で、ZV-E10のように安価なカメラが突出して売れているミラーレス市場。ユーザーのニーズとメーカーの価格戦略が乖離している部分もありそうだ。カメラの価格がさらに上昇していけば、カメラユーザーのすそ野を広げるのは難しそうだ。一方で、カメラは「スマホとは全く違う特別な写真専用機」という位置づけから、多少価格は高くてもさらに高機能化し、スマホとの違いをより先鋭化した方がいいという考えもある。現在、多くのカメラメーカーがとっている戦略だ。価格上昇が著しいミラーレス市場は、はたしてどこまで好調を維持できるだろうか。

 

ここ数年のカメラやレンズの値上がりは体感でもすごいものがありますが、BCNのデータでもそれが裏付けられましたね。国内の値上がりは為替の影響が大きいようですが、カメラメーカーのハイエンド機中心のラインナップで単価を上げていく戦略の影響もありそうです。

とは言え、BCNのデータでは安価なZV-E10が圧倒的に売れているということで、最近カメラメーカーが力を入れなくなっているエントリー機にもかなり大きな需要があるようです。今後、低価格のエントリー機の戦略がどうなっていくのか気になるところですね。

あと、7月の販売台数シェアのグラフと見るとソニーの販売台数シェアが50%近くもあって、8月の値上げ前のソニーの駆け込み需要は驚くほどですね。