キヤノンは下位機種が上位モデルを凌駕するような展開を望んでいる

phototrendに、キヤノンのイメージングコミュニケーション事業部長のインタビューが掲載されています。

Interview Canon

  • (EOS R1の開発はいつから始まったのか?)
    EOS R1は、EOSのフラッグシップであるEOS-1D X Mark IIIを超えるハイブリッドボディを目指した。EOS R3が(2021年に)発売されたときに、我々は既に真のフラッグシップ機を開発することを念頭に置いていた。

  • (なぜグローバルシャッターを採用しないのか?)
    我々は既にグローバルシャッターを一部の(業務用の)製品で使用しており、グローバルシャッターの利点と可能性について把握している。しかし、我々の使命はプロの顧客に究極のツールを提供することで、どのような環境下であっても欠点がないことを保証したいからだ。

  • (EOS R1の画素数がR3から上がっていないのはなぜか?)
    バランスを考慮した結果で、EOS R1は非常に優れた高感度性能も目指している。シャッター速度もできるだけ高速化したかった。これらを考慮すると2400万画素がメリットとデメリットのバランスが取れていると感じた。

  • (DIGICアクセラレータの基本原理とDIGIC Xとの違いについて)
    DIGICアクセラレータの利点は処理速度で、高速連写時もディープラーニングテクノロジーを組み込むことに成功した。DIGIC XとDIGICアクセラレータは独立したチップで、アクセラレータは特にAFと被写体認識を実行し、DIGIC Xは画像の現像を担当する。

  • (EOS R6 Mark II は万能なEOS R5 Mark IIの影に隠れてしまうのでは?)
    我々が望んでいるのは各機種が他機種と競争し、常に上位機種を凌駕しようとすることだ。したがって、EOS R6 Mark IIIがいつかはEOS R5 Mark IIを超え、その後、EOS R5 Mark III が登場し、再びバランスを取り戻すことを願っている。

  • (EOS R1が登場してEOS R3はどうなるのか?)
    一部の領域ではEOS R1はR3よりも優れているが、最もバランスが取れているのはEOS R3だと考えている。したがって、一部の顧客にとってEOS R3が最良の選択肢であり続けるだろう。

  • (シグマとタムロンがRFマウントに参入したが他のブランドと協業する予定は?)
    詳しいことは言えないが、提携の可能性を探るために複数のサードパーティーと協議中だ。

  • (一眼レフに固執している写真家もいるがEOS R5 Mark IIやEOS R1にアップグレートしてもらうために何と言うか?)
    EOS R1なら一眼レフでできることはほぼ全てできると思う。メリットだけがあり、デメリットはない。ハイブリッドカメラ(ミラーレス)の利点を実感していただきたいと思う。顧客には安心してハイブリッドカメラに切り替えていただきたいと思っている。日本とアジアではミラーレスへの移行はほぼ完了しており、欧州でも移行が加速している。

  • (EOS R1が競合他社のカメラよりも高価だという不満の声があるが?)
    EOS R1を試していただければ、より多くのものを提供するカメラであることを納得していただけると思う。非常に多くの機能を搭載しているため、当然コストも高くなる。しかし、他の機種との価格差以上のものがあると考えている。

 

EOS R3登場時にはEOS R1の開発を念頭においていた述べられており、かなり前からEOS R1のプロジェクトが進められていたようですね。

また、キヤノンは機種間のヒエラルキー重視で下剋上をあまりしないメーカーという印象がありましたが、ここではEOS R6 Mark IIIがEOS R5 Mark IIを超えることを望んでいると述べられており、今後、開発の方針が変わるのか気になるところです。