ソロのクリエイターにフルサイズ機は必要なのか?

DigitalCameraWorldに、パナソニックLUMIX S9に対する意見記事が掲載されています。

I saw Panasonic's Lumix S9 for the first time at a show and I just kept walking. That's bad!

  • クリエイターは実際何を望んでいるのだろうか? パナソニックはこのことに関する調査データを多く持っていると推測している。そのため、パナソニックがS9をクリエイターが望んでいるものだと考えているのであれば、その仕様の決定にはきっと十分な理由があるはずだ。

    しかし、パナソニック(他のメーカーもだが)がフルサイズの流行に飛び乗ったことで、解決が必要な問題の多くを自ら作り出しているように私には思える。悲しいことに、長年にわたって専門家がフルサイズセンサーの技術的優位性を主張してきたため、誰もがそれを信じ始めている。

    フルサイズの問題は何だろう? まず、レンズが大きくなることで、小型レンズを入手することもできるが明るさを妥協する必要がある。2番目に被写界深度が浅くなる分より優れたAFが必要になることだ。3つ目はセンサーが重くなるので手ブレ補正がより難しくなることで、例えば、フルサイズでm4/3と同レベルの手ブレ補正を実現しているカメラはない。

    LUMIX S9のコンセプトに反対しているわけではないが、パナソニックは間違ったセンサーを選んだと思う。S9はフルサイズセンサーを採用することで、多くの妥協と制限が生まれてしまっている。

    クリエイターにとってフルサイズは本当に必要なのだろうか? フルサイズセンサーは、ハイエンドの映像撮影や商業映画制作にはメリットがあると思うが、私がよく行うような単独撮影によるストーリーテリングやSNS共有にはメリットがない。(小型センサー機で)レンズが小さく、被写界深度が深く、IBIS がしっかりしている方がずっといいと思う。

    私が実際に購入するかもしれないコンパクトなストーリーテリングカメラは、S9のようなフルサイズのS5 IIベースのカメラではなく、 GH7をベースにしたものだろう。GH7ベースのコンパクトなレンジファインダースタイルの「クリエイター」向けバージョンが実現したら、本当にワクワクする。

 

ソロのクリエイターの映像制作ではカメラに任せる部分も多くなるでしょうし、システム全体の小型軽量化も重要になりそうなので、確かにフルサイズで多くの妥協のあるカメラよりもAPS-Cやm4/3でより小型で高性能なカメラが欲しいという意見は理解できるような気がします。記事で述べられているような、GH7ベースでS9のようなスタイルの小型高性能なクリエイター向けカメラが出てきたら注目を集めるかもしれませんね。