ニコン「Z 35mm f/1.4」はリーズナブルだが非常に良好な画質

DigitalCameraWorldに、ニコンの非Sの比較的安価な大口径広角単焦点レンズ「Z 35mm f/1.4」のレビューが掲載されています。

Nikon Z 35mm f/1.4 review

  • 価格はf/1.4の単焦点としては高価ではなく、Z 35mm f/1.8 Sよりも安価だ。
  • コントロールリングが追加された一方で、Z 35mm f/1.8 Sや他の多くのZレンズに搭載されているAF/MFの切り替えスイッチがなくなったのは残念だ。
  • Z 35mm f/1.8 Sと異なり、光学系にはEDレンズやナノクリスタルコートが採用されていない。
  • AFは速くほぼ無音だ。AFは一貫して正確で、動画のピントの移行もスムーズだ。
  • 最短撮影距離はわずか27cmで、浅い被写界深度のクローズアップ撮影も十分にできる。

  • (実写テスト)ボケは非常に滑らかで、少し絞っても良好なボケが維持される。
  • (実写テスト)周辺光量落ちは開放では自動補正を有効にしてもかなり目立つが、f/2.8以上に絞れば目立たなくなる。歪曲は自動補正に強く依存しており、補正を無効にはできない。補正後の歪曲は無視できる。わずかな色収差が見られるが、自動補正を適用すると歪曲同様に解消される。
  • (実写テスト)解像力は中央は開放は非常に優れているが、周辺部はf/2.8以上に絞られないと本領を発揮しない。それでも全体的な解像力は最もシャープなレンズの1つであるZ 35mm f/1.8 Sとそれほど大きな差はない。

  • ラボテスト(解像力):開放では中央の解像力は抜群だが、隅の解像力は平均的だ。f/2.8からf/11では画面全域で素晴らしい解像力になる。

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  • ラボテスト(色収差):色収差はすべての絞り値でZ 35mm f/1.8 Sよりも少し目立つが、それでもかなり低いレベルで、自動補正で補正できる範囲内だ。
  • ラボテスト(歪曲):歪曲は0.02で実質的に歪曲は見られない。歪曲は自動補正に依存しており無効にできない。

  • ニコンがf/1.4のフルサイズ対応レンズをかなりリーズナブルな価格で投入したことには好感を持っている。このレンズはEDレンズやハイテクコーティングは採用されていないが、高速なAFと非常に良好な画質を誇っている。無段階のコントロールリングは絞り調整に最適で、動画にも適している。全体としてニコンは良い仕事をしたと思う。
  • 良い点:f/1.4の明るさ、スチルと動画に最適、無段階の2つ目のコントロールリング。
  • 悪い点:AF/MF切り替えスイッチがない、Sライン以外のレンズとしては高価。

 

最近は開放から隅までカリカリにシャープなレンズも多いですが、このレンズは開放では周辺部はややソフトで、絞るに従ってシャープになるので、絞りによる描写の変化を楽しめそうなレンズですね。

非Sの大口径レンズはニコンの非常に面白い提案で、他の焦点距離のレンズも出てくるのか興味深いところです。