ニコン「Z 35mm f/1.4」は開放付近では周辺が甘いがボケは非常に美しい

CAMERA LABSに、ニコンの非Sの大口径広角単焦点レンズ「Z 35mm F1.4」のレビューが掲載されています。

Nikon Z 35mm f1.4 review

  • フォーカスリングは滑らかに動く。フォーカスリングはノンリニア(設定でリニアに切り替え可能)で、ゆっくり回せば非常に正確なフォーカシングが可能だ。
  • このレンズは非常に軽量コンパクトで、f1.4の明るさだがZ35mm f/1.8 Sよりも安価だ。更にフォーカスリングに加えて多機能なコントロールリングが追加されており、Z 35mm f/1.8 Sよりもさまざまな機能の操作が遥かに快適になる。
  • AFの再現性は96%と良好で、40枚撮影して外れはなかったが、近距離からピントを合わせるか遠距離から合わせるかによって、ピントのばらつきはかなり見られる。
  • AF速度はZ8では無限遠から0.44mまで0.60秒で、Z35mm f/1.8 Sの0.37秒よりもかなり遅いが、AFの迷いは問題なかった。AFはわずかにハム音が聞こえる。
  • フォーカスブリージングは、無限遠から44cmまでで画像サイズが2.6%変わり、Z35mm f/1.8Dの0.7%よりも少し変動は大きいものの動画でほとんど目立たない。

  • 軸上色収差はコントラストの高い輪郭部分や玉ボケ周囲に見られ、背景の被写体周囲に緑色の輪郭が付くのも問題だ。
  • 解像力テストでは開放から全体的にディテールは豊富だが、四隅はコントラストが低下する。f1.8まで絞るとコントラストは少し改善するが、Z35mm f/1.8 Sには及ばない。f2ではフォクトレンダー35mm F2 APO-Lantharが強い。3つのレンズの中ではZ35mm f/1.4が最もソフトだ。1.6mのテスト距離ではZ35mm f/1.4は隅の像面湾曲がかなり強い。
  • 遠距離では像面湾曲の影響は見られず、開放でもかなり解像しており、f1.8ではZ35mm f/1.8Sよりもシャープになる。
  • 周辺光量落ちはレンズプロファイル適用後でも2EV以上とかなり強いが、f2まで絞ると目立たなくなる。
  • コマ収差はf2.8まで絞らない限り強く、明るい街灯の周囲で見られる。
  • 玉ボケは内側にわずかに模様が付くが年輪ボケは見られない。ただし軸上色収差のために緑色の輪郭が付く。後ボケは同じ絞り値でもZ35mm f/1.8Sよりも柔らかく、フォクトレンダー35mm F2 APO-Lantharと同じくらい柔らかい。二線ボケは3機種の中ではZ35mm f/1.4が最も弱い。
  • 近接撮影は少なくともf2.8まで絞ることを勧める。ただし、f11まで絞ってもDXの外側では画像はぼやけたままだ。
  • フレアとゴーストの発生は適切に抑えられており、逆光でも自信を持って撮影できる。

  • Z35mm f/1.8 Sと比較するとf/1.8Sは細部の解像はZ35mm f/1.4よりも概ね優れており、全体的なコントラストも遥かに優れており、ハロも少ない。また、近接時の性能もf/1.8Sが遥かに優れており、像面湾曲も少なく、AFもずっと速い。ただし、背景のボケはかなりうるさいことがあり、この点ではZ35mm f/1.4が優れている。
  • Z35mm f/1.4は全域で優れた解像力だが、コントラストと色収差の補正は不十分で、近接性能や周辺光量落ち、像面湾曲などの問題がある。これらの欠点が我慢できる場合はコストパフォーマンスに優れたZ35mm f/1.4が依然としてお勧めだ。

  • 良い点:軽量コンパクト、遠距離では全域で優れた解像力、素晴らしいボケ、耐候性と多機能なコントロールリング、コストパフォーマンスが良好。
  • 悪い点:f1.4とf2でコントラストが低い、色収差、紫と緑の縁取り、青いハロ、クローズアップ時の性能、レンズプロファイル適用後でも周辺光量落ちが激しい、近距離ではDXのイメージサークルの外側に強い像面湾曲が見られる。

 

Z35mm f/1.4は開放付近ではコントラストが低く、軸上色収差などの収差も残っているようですが、これは逆に絞りでの描写の変化を楽しみたい人には最高のレンズかもしれませんね。ボケが柔らかく綺麗なのもポイントが高いですね。

このレンズは開放からシャープなZ35mm f/1.8Sと対照的なキャラクターなので、2本所有して使い分けるのも楽しいかもしれません。