GoPro「凋落」の理由は?

ITmediaに、GoProの台頭と凋落の歴史を振り返る記事が掲載されています。

GoPro「凋落」の理由、華々しいスタートアップの紆余曲折を振り返る 大きな分岐点は8年前に

  • すでに多くのYouTuberがHERO 13を購入してレビューを公開しているが、あまり芳しい評価にはなっていないようだ。さらには経済紙を中心に、9月中旬から"GoPro凋落"といった趣旨の記事が展開されている。
  • 16年は、多くのことがいっぺんに起こった年である。1月にはHERO4 Sessionの失敗を受けて、GoProは初めてのリストラで15%の従業員を解雇している。他に柱となる事業がないので、1つコケると被害が大きいのがベンチャーの弱いところだ。
  • 空撮用ドローン「GoPro Karma」で別の柱を作ろうとしたが、このドローンが、1カ月程度でリコールとなった。バッテリー部のカバーの設計が悪く、飛行中にバッテリーの接触が途絶えて墜落するという問題が発覚した。鳴り物入りの新ジャンルが1カ月で失敗したことで、GoProは大きなダメージを負った。
  • 頼みのHERO5 Blackは、悪い製品ではなかったが、16年には同様のスペックで中国の有象無象のメーカーが続々とGoProクローンを投入し、市場は荒れた。同年、くしくも後に競合となるInsta360が、初の製品「Insta360 Nano」をリリースした。
  • 「HERO7 Black」は、スポーツ向けカメラとしてGoProは別格と感じさせたカメラだったが、GoPro一人勝ちの状況は長くなかった。19年にはDJIがまさにGoProスタイルそのままの「Osmo Action」をリリースしてきた。Insta360も、親指大のウェアラブルカメラ「Insta360 GO」をリリースした。
  • 19年の「HERO8 Black」は5はHDMI端子が本体からなくなり、モジュラーを別途購入しなければ映像出力が出せなくなった。これはネット中継でサブカメラや手元カメラとして利用してきたユーザーにとっては、GoProを見限る大きな理由となった。
  • YouTuberの台頭は12年ごろから始まり、自撮りの世界的流行は13年から15年ぐらいだが、GoProは自分を撮る、自分のしゃべりを集音するという行為に対する手当が、あまりにも遅すぎた。DJIやInsta360のアクションカメラは、スポーツ撮りへの参入だけではない。自撮り市場も最初から押さえにかかっている。このあたりが、スポーツイベントへの協賛などで巨額のマーケティング費を注ぎ込んできたGoProとの、決定的な違いとなった。
  • 22年には「HERO11 Black Mini」という小型モデルを出しているが、ネタに困ると小型モデルを出すというのがGoPro定番の負けパターンとなっているのは、歴史が証明している。
  • 23年にはGoProは「HERO12 Black」で(Osmo Action 4とInsta360 GO 3に)対抗したが、すでにカメラ単体で勝てる要素は少なく、むしろ競合他社の後追いが目立つようになっていた。
  • 24年はまた小型モデルの登場である。いつもの負けパターンだ。しかもネーミングがただの「HERO」で、13と関係性を切っている。迷走しているといわれても仕方がないだろう。
  • (GoProが)どこで道を間違えたのかは、一言で言うのは難しい。今後も(Insta360とDJIの)両社はどんどん上に向かうだろう。個人的には(GoProは)逆に下のほう、知名度を生かしてシンプルな低価格路線に逃げるべきではないのかとも思う。GoProはそもそも、そういうカメラだったのだ。

 

一時はアクションカメラ市場の盟主であったGoProですが、最近は経済誌等で「凋落」と言われてしまうほど厳しい状況に置かれているのですね。GoProがなぜ凋落したのか、記事では断定的なことは述べられていませんが、当サイトのコメントではGoProはオーバーヒートやその他のトラブルが多いので、他社に移行したという声が結構多かったように記憶しています。今後、GoProの巻き返しがあるのか注目したいところです。