シグマのRFマウントレンズは大成功を収めている

phototrendにシグマフランスのゼネラルディレクターのインタビューが掲載されています。

Interview Sigma au Salon de la Photo 2024

  • (キヤノンとのRFマウントのパートナーシップはどのように築かれたのか? キヤノンがシグマに来たのか?)
    話し合いの詳細についてはあまり情報を持っていないが、キヤノンに出向いたのは、むしろ我々の方だったと思う。 話し合いが進み、キヤノンのマウント開放計画が成熟するに従ってRFマウントは徐々にサードパーティに開放されつつある。

  • (キヤノンはサードパーティーが発売できるレンズをケースバイケースで決めるのか?)
    私の把握していることとキヤノンの経営者のインタビューによると、最初の契約を結んだ瞬間からRFマウントは開放されたようだ。その後に、私が把握していない(マウント開放の具体的な)スケジュールがあるかもしれない。

  • (RFマウントが開放されたのはAPS-Cのみ?)
    当面はAPS-Cレンズのみだ。シグマの全てのAPS-C用レンズ(DC DN)が2025年1月までに発売される予定だ。

  • (シグマのRFマウントレンズの評判は?)
    非常に好意的な反応だった。当社のRFマウントレンズは大きな成功を収めている。キヤノンのAPS-Cカメラにはエキスパート向けのカメラ(EOS R7)もあるが、キヤノンのRF-Sにはエキスパート向けのレンズが存在しないので、EOS R7ユーザーに日本製の高品質な10-18mm F2.8 DC DNや18-50mm F2.8 DC DNを提供すれば成功を収めるだろう。

  • (28-45mm F1.8 DG DN Art、28-105mm F2.8 DG DN Art、24-70mm F2.8 DG DN Art IIの販売店やユーザーからの反応は?)
    24-70mm F2.8 DG DN Art IIは初代と同様の成功を収めている。販売の減少は全くなく、我々は非常に満足している。28-45mm F1.8 DG DN Artは大変好評だ。28-105mm F2.8 DG DN Artは非常に肯定的な反応で我々は驚いている。コンサートやウェディングの写真家やビデオグラファーがこのレンズを非常に高く評価している。

  • (シネマレンズなどのニッチレンズの市場はレンズを開発するに足るほど大きいのか?)
    当社は大量の製品を販売するためだけでなく、より具体的なニーズにも応えたい。これらの製品で大金を稼ぐつもりはないが、写真家や動画撮影者にとって可能な限り全てのオプションを用意することが重要だ。

  • (超望遠レンズ市場を揺るがした500mm F5.6 DG DN OS Sportsについて)
    フレネルレンズを使用すると従来のレンズよりもシャープさが劣ることが分かっているので、我々は同じ軽さ小ささを従来のレンズを使って達成することを目指し、よりシャープな光学系を作ることができた。

  • (シグマ28-105mm F2.8 DG DN ArtはキヤノンRF24-105mm F2.8Lと似てるが?)
    キヤンと同様にシグマも市場を観察し同じ結論を導き出したことを意味していると思われるが、これらのレンズは同じものではなく、キヤノンは動画志向で大きく重い。シグマはスチルと動画の両用の設計で重さも1kg未満に抑えられている。

  • (フランスではどのマウントの需要が最も高い?)
    近年のシグマブランドの成長の原動力は、明らかにEマウントだ。しかし、RFマウント用のレンズはごく最近発売されたにもかかわらずズームレンズが非常に良く売れている。Lマウントに関してはフランスでは他の市場よりもパナソニックが強いことの恩恵を受けており、世界で最もLマウントの比率が高い。

  • (将来RFマウントがEマウントの需要に取って代わると思うか?)
    現在、市場の数字を見ると、金額、数のいずれにおいてもキヤノンが世界市場で最大のシェアを持っていると思うが、ソニーは驚異的な進歩を遂げている。一眼レフ時代にはキヤノンとニコンが市場を占めていたが、現在はソニーがニコンを上回るシェアを誇っている。また、富士フイルムもインスタントカメラを考慮すればキヤノンと肩を並べる販売数だ。したがって、どのセグメントの話をしているかによるだろう。判断するのは少し難しい。

  • (Zマウントの伸びは少ない?)
    Zマウントは大成功しているが、それはハイエンドな製品に限られており、販売されたカメラの数は少ない。

  • (16-28mm F2.8や28-70mm F2.8に組み合わせるContemporaryシリーズのコンパクトな望遠ズームは?)
    Contemporaryシリーズで70-200mmのズームを発売するとしたら、軽量コンパクトにするためにF4になるだろう。70-300mmも考えられる。しかし、このクラスのレンズにはOSが必要で、高品質でコンパクトなものを作るのは簡単ではないだろう。

 

シグマの主力はEマウントのレンズですが、新たに投入したばかりのRFマウントのレンズもかなり売れているようで、RFでフルサイズ用のレンズが投入できるなら、シグマの中でRFマウントはかなり存在感を増してきそうですね。

また、フランスではLマウントが非常に強いと述べられており、これはパナソニックの「フランスではミラーレスで第3位のブランド」という発言を裏付けるものですね。