富士フイルム「X-M5」のAFはスチルではこれまでより優秀だが動画では安定性に欠ける

PetaPixelに、富士フイルムXシリーズのエントリーモデル「X-M5」のレビューが掲載されています。

Fujifilm X-M5 Review: Agonizingly Close to Entry-Level Excellence

  • 初めてX-M5を目にしたとき、その美しいデザインとコンパクトさに心を奪われた。世の中には多くの人の予算内で手が届く、このようなスタイリッシュな小型カメラがもっと必要だ。
  • EVFがないことは、最大の欠点だが、誰もがEVFを欲しがるわけではないだろう。しかし、EVFがあればコンパクトな散策用カメラとして、高価なX100の代替品として検討しただろう。
  • もう一つの不満点はIBISが無いことだが、このクラスのカメラはいずれもIBISは搭載されていない。IBISが必要ならかなり高価なX-S20やEOS R7が必要だ。
  • 操作系は大部分の人のニーズに応えられるもので、フィルムシミュレーションダイヤルはこのようなエントリー機には非常に理に適っている。

  • AF性能はEOS R10とほぼ同じ的中率だった。X-M5は数フレームAFを外したが、全体的な性能は競合製品に非常に近く、ほとんどの状況で完全に使えるものだった。X-M5は最新のAFアルゴリズムを採用しており、富士フイルムのラインナップにあるこの機種よりも古いカメラよりも優れている。
  • 大きなグリップとEVFは無いので、望遠レンズとの組み合わせでは使いたくないが、旅行用や家族の外出時の思い出を残すカメラとしては十分な能力がある。
  • メカシャッターの搭載は歓迎しており、これによりダイナミックレンジが維持され、XV-E10IIのようなカメラで問題となるローリングシャッター歪みの問題も解消する。
  • 動画は6.2Kオープンゲート10bitでLog記録が可能で、この価格で比較になる機種はない。しかし、富士フイルムは動画のAFの安定性では苦戦しており、ピントが背景に抜けたり、被写体を再補足する時に迷ったりして煩わしく感じることがある。AFの設定の調整できるが完璧にはならない。また、IBISがないので、電子手ブレ補正を使っても手持ちでは揺れが気になる。
  • 熱の管理は非常に優れており、6.2Kオープンゲートで30fpsで1時間15分も録画が続き、この時点でバッテリーが空になった。4K60pでは40分以内でオーバーヒートしたが、手頃な価格のカメラとしては十分な録画時間だ。冷却ファンのアクセサリを使用するとほぼ2倍の時間録画できる。

  • 動画ではZV-E10IIがX-M5に最も近い製品で、X-M5よりも安定したAF性能で、ブイログにはより適した選択肢になるかもしれない。しかし、オープンゲート記録が必要で、ジンバルとMFを使用する場合はX-M5の方が適している。
  • Z50IIはAFは優れており10bitのLog記録が可能だが、センサーが古くローリングシャッター歪みに悩まされる。操作性ではZ50IIが気に入っているが、X-M5の方がスチルは少し良好だ。
  • X-M5はいくつか優れている点があるが、いくつかの機能が欠けている。私は動画機能こそ同等ではないが、EVFを備え優れた設計のX-T30IIを選ぶ。EOS R10は優れたAFとEVF、快適なボディデザインを採用した全体的に優れたエントリー機で、望遠レンズを使った撮影には適しているが、動画品質は劣っている。
  • α6400はX-M5と(スチルでは)同等のAFで、EVFも搭載されている。また、動画のAFはα6400がより安定している。

  • X-M5の価格は競合機より少し安く、このクラスでは最高の動画用カメラとなるだろう。動画のAFが不安定である点や、EVFが無い点が許容できるのであればX-M5は非常に優れた小型ハイブリッドカメラだ。
  • X-M5を購入するべきだろうか? おそらく購入するべきだろう。動画重視でEVF不要ならX-M5は低価格機の良い選択肢だ。

 

X-M5のAFは新アルゴリズムの採用でスチルではかなり進化していて、ソニーやキヤノンの同クラスのカメラと遜色ない性能のようです。一方で動画ではAFが不安定と述べられているのが気になるところです。

X-M5は動画機能に優れオーバーヒートもしにくいので、低価格のVlog機として期待している方も多いかもしれませんが、動画のAFと電子手ブレ補正の性能がそれほど高くないようなので、ジンバルを使わずに手持ちで気軽に動画を撮りたい人にはあまり向いていないかもしれませんね。