シグマ「16-300mm F3.5-6.7 DC OS」は妥協は見られるが広いズーム域は評価されるべき

PetaPixelに、シグマの新しいAPS-C用の高倍率ズーム「16-300mm F3.5-6.7 DC OS」のレビューが掲載されています。

Sigma 16-300mm f/3.5-6.7 DC OS Review: A Long-Awaited Return

  • 16-300mm の重さはわずか615gで、長さはあるものの、67mmのフィルター径とそれに伴う鏡筒の細さは扱いやすいものだ。小さなカメラバッグに収めるのに問題はなく、1日中持ち歩いても楽な重さだ。
  • ズームリングを固定するスイッチは、鏡筒からかなり突き出ているため、バッグからカメラを引き出すだけで意図せずロックしてしまった。
  • 手ブレ補正ON/OFFのスイッチがないため、切り替えはメニューで行う必要がある。AF/MFの切り替えスイッチも無い。
  • AFはツインHLAで素早く動作し、AFは間違いなくスポーツやアクションにも許容範囲だ。白鳥や子ども、ペットの撮影も問題なく、もっと本格的な野生動物の撮影にも使えることを確信している。

  • 70mmで1:2のマクロが可能で非常に実用的なクローズアップショットを撮影できるが、最大の倍率を得るには前玉から1インチ以内に近付く必要があり、被写体に影が落ちやすい。また、マクロ撮影ではシャープさは理想的ではないが、少し離れると全体的に良好になる。
  • 逆光ではかなり複雑なレンズ構成にもかかわらず、フレアやゴーストがほとんど見られず、明るい光源を撮影しても良好なコントラストが維持されている。
  • 暗いレンズだが望遠側では背景をぼかすことができる。しかし、玉ボケはバブルボケで年輪も多く見られ、後ボケも二線ボケが見られうるさくなる。ボケは全体的にこのレンズの長所ではない。
  • 解像力は16mmの中央では開放からコントラストに優れディテールも良好で、絞ると全体的に画質が向上する。隅は絞ってもかなり甘く、これは強い歪曲補正が原因だ。300mmが最も良好で、隅も16mmより優れているが、絞りにかかわらず隅はいくらか甘い感じがする。

  • シグマは、堅牢性、コンパクトさ、汎用性を1つのパッケージにまとめた、非常に便利なレンズを提供してくれた。しかし、万能にはいくつかの妥協が伴うというこの種のレンズによく見られる問題から逃れることはできない。このレンズは、最高にシャープでもなく明るくもないが、広角から450mm相当までの範囲をカバーできることは評価されるべきだ。ほとんどの用途を1本でカバーするレンズを探していて、制限を受け入れられるなら、このレンズは旅行用のきわめて魅力的なお供になるだろう。

 

超高倍率ズームなので光学的には弱点もあるようですが、ズーム倍率を考えればこれだけ写れば十分と言ってよさそうです。広角側が換算24mmまでカバーするのは非常にポイントが高いですね。

隅の甘さやボケのうるささ、マクロ域の甘さなどが指摘されていますが、これは超高倍率ズームなので割り切るしかなさそうです。一方で逆光に強いのは、この種のレンズでは素晴らしいですね。

また、高倍率ズームはAFが遅いことが多いですが、このレンズは動体も問題なく撮れるスピードがあるようなので、換算450mmの超望遠を活かして、旅先で野生動物の撮影などもある程度はこなせそうです。