キヤノン「EOS R50 V」はオーバーヒート耐性は優秀だが理想的なVlog機とは言えない

PetaPixelに、キヤノンの動画志向のエントリーモデル「EOS R50 V」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R50 V Review: Canon's Competitive Creator Cam

  • R50VはEVFを除く主要なコンポーネントはR50から継承しているが、グリップが小さく、液晶モニタの解像度もわずかに劣る。これだけ省略されているにもかかわらず、重さはR50からわずか5グラムの軽量化に留まっているのは意外だ。
  • 競合機種のZV-E10 IIとは異なり、R50Vはメカシャッター(先幕電子シャッターのみ)を搭載している。これにより、ローリングシャッター歪みのない写真撮影が可能で、R50 Vは基本的な写真撮影に十分使える。
  • カメラ側面に三脚のネジ穴が追加されているのは魅力的で、三脚でカメラを90度傾けることができない場合でも縦位置撮影が可能だ。
  • 14-30mm F4-6.4 IS STM PZは滑らかにズームできるが、F値が大きいので暗所での撮影はかなり厳しい。

  • 10年以上もの間、キヤノンのミラーレスカメラは録画を開始すると、水平線レベルが消えてしまっていた。これは本当に困ったものだったが、R50 Vではこの問題がようやく解決された。これは一見小さな改善に見えるかもしれないが、大きな改善点だ。
  • 4K30pはオーバーサンプリングで美しい映像が生成される。R50とは異なり、R50Vは4K60pも可能だが、かなりクロップされる。フルHDは最大120pで記録できるが、かなりソフトな画質だ。
  • AFはシンプルなシーンでは優れた性能を発揮するが、このカメラは最近のキヤノンのミラーレスカメラに共通する「被写体の前を別の顔が横切るとAF設定に関わらず、常にピントがずれてしまう」という欠点を抱えている。
  • IBIS非搭載で手ブレ補正が懸念事項だ。レンズにはISが搭載されており、これは確かに役立つが、カメラを動かした際の揺れを抑えるには、デジタル手ブレ補正を併用する必要がある。デフォルトのデジタルISは良好に機能する。デジタルISの「拡張」モードでは非常に安定しているが、シャッター速度を遅くすると、安定しているものの非常にぼやけたフレームがいくつか見られた。
  • 手頃な価格のカメラとしては珍しく、EOS R50 Vは冷却ファンを搭載しており(※原文「the Canon EOS R50 V has the rare addition of a cooling fan」となっていますが、冷却ファン搭載はレビュアーの勘違いのようです)、オーバーヒート耐性は目を見張るものがある。4k24pではバッテリー切れの1時間13分までオーバーヒート警告は表示されなかった。また、外部電源で1時間20分録画しても同様だった。オーバーヒート耐性は素晴らしく長時間の録画にも安心して使える。

  • EOS Rシリーズに投資していて、手頃な価格の小型のセカンドカメラを探しているなら、長時間録画とキヤノンの動画プロファイルを備えたR50 Vは理想的な選択肢だ。しかし、EOS Rシリーズにまだ投資していないのなら、他にも魅力的な製品は数多く存在する。
  • 「Vlog用カメラ」を探しているなら、最も人気のある選択肢はDJI Pocket 3だ。Pocket 3は最先端の手ブレ補正機能、優れた操作性、そして圧倒的な画質を誇る。EOS R50 Vは大型センサーを搭載しているため、全体的な画質はPocet3より向上するが、手ブレ補正機能がないため、ジンバルを使用しないと理想的なVlog用カメラにはならない。ジンバルを使用すると、もっと小型のPocket 3が欲しくなるだろう。
  • R50 Vはウェブ通話、ポッドキャスト、商品撮影用途などの「クリエイターカメラ」として活躍できるだろう。競合製品のZV-E10 IIと比較するとR50 Vは遥かに安価で、メカシャッターのおかげでより高品質がスチルが撮れる。しかし4K60pの使い勝手はZVが遥かによく、ローリングシャッター歪みも少なく、レンズも豊富だ。高い価格を払えるならZV-E10IIの方がおそらく良い選択肢だろう。

 

EOS R50 Vは安価な動画機としては十分な性能と言ってよさそうで、オーバーヒート耐性に優れているのは魅力的ですね。メカシャッターを搭載しているので、スチル併用のユーザーには特に訴求力が高そうです。

ただ、4K60pが大きくクロップされることや、手ブレ補正の問題が指摘されており、Vlog機としてはPocket3、クリエイター向けのカメラとしてZV-E10IIの方が良いと述べられています。R50 Vは安価ですが、少し中途半端な仕様なのかもしれませんね。