富士フイルム「X Half」は撮影そのものを楽しむためのカメラ

PetaPixelのYouTubeチャンネルに、富士フイルムの新製品「X Half」のレビュー動画が投稿されています。

The Fujifilm X half is Just Plain FUN!

  • X Halfは、スペック重視のプロ向けカメラではなく、物理的な巻き上げレバーの採用によるフィルムカメラライクな操作など、「遊び心」や「ノスタルジー」に価値を置くユーザーに向けた製品だ。このカメラは画質や高機能を期待するカメラではなく、撮影行為そのものを「体験」として楽しむことに主眼を置いている。
  • 外観はクラシックなレンジファインダーカメラ風デザインで、手に取った瞬間に惹かれる魅力がある。わずか240gの小型軽量設計で、ポケットに入れて持ち歩けるサイズだ。
  • 巻き上げレバーで「フィルムを巻く」という行為自体を復活させた点は喜ばしい。
  • フィルムモードでは、ISOや露出、色調設定を「1本のフィルム」として固定。撮影した画像はSDカード内に専用フォルダで隔離し、アプリで"現像"することで、フィルム体験を演出している。
  • 「ハレーション」「光漏れ」「ミニチュア」「色被り」などのエフェクトが豊富で、これにランダム性を加え、「結果が予測できないワクワク感」を演出している。縦写真を2枚並べて1枚にする「2-in-1」モードなど、独創的な表現の機能も素晴らしい。

  • 短所としては、タッチスクリーンでのスワイプ操作は反応が鈍く、誤作動も多いことだ。撮影中に何度もスワイプしてやり直す必要があり、これは直感的操作とは程遠いものだ。
  • フィルムモードではAFは使用できるが合焦確認は小さなLEDのみで確認しにくい。また、シャッターを切った直後に巻き上げレバーを引くとエラーになりやすい。ユーザーインターフェースに没入感を求めた結果、X Halfは「気を遣う道具」になってしまっている。
  • 動画に関しては、解像度は1440x1080の4:3の縦型という標準的ではないフォーマットで、録画は最大で55秒で自動的に停止してしまう。音声は内蔵マイクのみで、USB-Cはヘッドホン端子には使えるがマイク入力はできない。動画は事実上使い物にならず、動画はスマホで撮る方がよい。

  • X Halfはカメラのデザインや操作感を楽しむ「カメラ愛好家・ガジェットマニア」、撮影そのものをプロセスとして味わいたい人、ノスタルジーを愛し「偶然性」や「失敗」すら楽しめる人には向いているだろう。
  • RAW撮影やポストプロセスが必須のプロカメラマンや編集重視派の人、反応速度やAF性能を求めるスナップ重視の人、「何でもできる万能カメラ」を探している人には向いていない。
  • XHalfは富士フイルムのデザイナーが、フィルムカメラ文化への愛を形にしたカメラで、これを受け取るかどうかは、あなた次第だ。このカメラには苦戦もしたが、他にはない撮影体験ができた。遊びの道具としてなら確実にありだろう。

 

X Halfはなかなか面白そうなカメラでかなり楽しめそうですが、あくまでも撮影プロセスを楽しむカメラで、様々な状況の撮影で良い結果を求めるようなカメラではなさそうですね。

特に動画は55秒までしか撮れず「使い物にならない」とまで言われてしまっているので、縦位置用の動画機機として使うのには向かなそうです。また、欠点として挙げられているタッチパネルの反応の悪さに関してはファームウェアで対策して欲しいところですね。