PetaPixelに、パナソニックが昨日発表した部分積層型センサー搭載機「LUMIX S1II」のレビューが掲載されています。
・Panasonic Lumix S1 II Review: Pricey, Powerful, and Video-Centric
- まず目につくのは、部分積層型センサーを採用したS1IIは3200ドルで、ニコンの同等機種(Z6III)よりも大幅に高い価格設定になっていることだ。
- S1IIは最近発売されたS1R IIと全く同じボディを使用しているため、操作感は全く同じだ。従来のS1と比べると大幅に小型軽量化されており、操作性は大幅に向上している。パナソニックのボディは堅牢で機能性に優れており使いやすい。
- モニタは先進的な稼働方式を採用しており、スチルカメラマンもビデオグラファーも満足できるはずだ。
- 変更したくない特定の設定をロックできるロックスイッチの機能が気に入っている。
- AFは全く新しいアーバンスポーツモードをスケートボードでテストしたところ、まずまずの結果が得られたが完璧ではなかった。動きのある顔や体を捕捉するのに苦戦する場合もあったが、いったんロックすればかなり効果的に追従する。
- 電子シャッターのローリングシャッター歪みはセンサーの読み出しの高速化によって大幅に軽減されており、野生動物などの動体を撮影できるが、要求の厳しい動体撮影には適さないだろう。
- バッファーは10コマ/秒のメカシャッターモードでは事実上無制限だが、70コマ/秒の電子シャッターモードではバッファはわずか3秒でいっぱいになり、その後、CFexpressカードへの書き込みには33秒、SDカードへの書き込みには49秒かかる。
- IBISは8段分の効果で、低速シャッターでのスチルの撮影や動画の安定性の両方で効果的だ。手ブレ補正の性能はクラストップで、スチルでは望遠レンズの場合でも非常に安定している。動画ではジンバルほどではないものの素晴らしく安定している。
- 画質は他の多くの2400万画素機と同等で、部分積層型なのでダイナミックレンジはわずかに狭くなるが、非積層型センサーとの差はそれほど大きくはなく、多くのケースでは目立たない。シャドー部を持ち上げだり、高感度で撮影すると若干ノイズが多くなるが、撮影した画像は完全に満足のいくものだった。
- 動画は旧型のS1から大幅な性能アップを実現しており、クロップなして6Kオーバーサンプリングの4K60pで録画できるようになった。4K120pはわずかにクロップされ、ディテールが損なわれる。オープンゲート記録は、LUMIXのお気に入りの機能で、6K30pと5.1K60pが可能だ。5.1K60pはオーバーサンプリングで、画質は非常に鮮明でノイズも押さえられている。
- ローリングシャッターの読み出し速度は、フルサイズの6Kの3:2では12ミリ秒と優れた性能で、16:9では更に速くなり10ミリ秒になる。非常に速い被写体やパンでは歪みが目立つこともあるが、問題になることはほとんどない。
- ダイナミックレンジブーストモードではオープゲート記録で28ミリ秒、16:9で25ミリ秒と大幅に読み出しが遅くり、歪みが非常に目立つので、動体撮影ではこの機能をOFFにすることを勧める。
- 動画のAFは被写体が1つの場合は揺れがなく、非常に安定しているが、被写体認識を有効にした場合、カメラが常に新しい被写体を探しに行き、AFが迷うような被写体が画面内になくても被写体からフォーカスがはずれてしまう場面が何度かあった。AFは基本的に信頼できるが誤動作することもあるので常に注意している。
- 空冷ファンが搭載されており、5.8K30p ProRes RAW HQではバッテリーがなくなるまでオーバーヒートすることはなかった。5.8K60pは35分で温度警告が表示され48分でシャットダウンした。5.1K60pオープンゲートでは30分で警告が表示され41分でシャットダウンした。したがって、高解像度・高フレームレートでの長時間記録は避けたいところだが、多くの競合機はこのような動画モードを搭載していないことを指摘しておきたい。
- 動画機能はアナモフィックモードや各種アシストツールなど実に豊富で、これらのツールを活用するならS1IIの高い価格も納得できる。活用しないなら、大幅に安価なZ6IIIでも同等の動画が得られる。
- S1IIは最高の動画機能を備えたミラーレスカメラの1つだが、スチルで好きな作品を撮る場合には自分はS1RIIを選ぶだろう。スポーツやアクションの撮影にはS1IIよりももっと良い選択肢がもっと手頃な価格である。S1IIの3200ドルという価格は動画を最優先に考える場合のみ正当化されると思う。
- S1IIを購入すべきかどうかは動画を優先するかどうかによって大きく変わるだろう。ビデオグラファーでこのカメラを検討しないのは愚かだが、写真家は他のカメラを検討した方がいいだろう。
S1IIは部分積層型センサーの採用でローリングシャッター歪みが改善されているようですが、動きの激しい動体には対応しきれないようですね。
また、AFも改善はされているようですが、まだウィークポイントがあるようで、動体の撮影用途では「他にもっと良い選択肢がある」という評価になっています。スチルで動体メインの方にはS1IIはセンサーのスキャン速度やAF性能の面で少し中途半端かもしれませんね。
一方で動画機能に関しては極めて評価が高く、「3200ドルという価格も正当化される」と述べられており、動画中心の方にはS1IIは非常に良い選択肢になりそうです。
マルちゃん
S1Ⅱ 16:9フル領域で4K60P 35℃のような環境でも熱停止せずに長回し出来るのだろうか?
5.1k60Pに対して、4K60Pは、縦横1.33倍で1.33 × 1.33で、1.76倍の負荷があると考えると、書いてある環境下なら、バッテリーが切れるまで使えるのだろうか?
それをアピールしないと考えると使えない?
空冷ファンで冷やし切れるのだろうか?
S1H2を待つか迷います
さりちる
AFは微妙だけど動画に関してはピカイチ…。いつものLumixですね!