キヤノンPowerShot Vシリーズの今後の新製品に期待して欲しい

DPReviewに、キヤノン開発陣のインタビュー記事が掲載されています。

Canon talks compact camera comeback, third-party lenses and new users

  • (動画機能について)
    動画撮影に熱心なプロが急増しており、彼らは動画はミラーレスカメラで十分だと認識している。また、初心者レベルではSNSが普及によって多くの人がVlogを投稿するようになったため、一般ユーザーからの動画需要も非常に高まっている。しかし、これはスチルを犠牲にするものではない。スチルカメラシステムとしての基盤は整っており、動画機能は追加要素のようなものだ。

    レンズについても同様のことが言える。我々はスチル用のレンズに注力し続けるつもりだが、動画撮影者が我々のレンズに何を求めているかを常に念頭に置く必要がある。そのため、開発では常に静かな動作とフォーカス性能の2つの面を考慮している。

  • (カメラ市場について)
    カメラ市場全体としては堅調な成長が見られ、CIPAの出荷データを見ると、10%以上の増加が見られる。レンズ交換式カメラにはまだ成長の余地がある。そしてコンパクトの需要が高まっている。しかし、この上昇傾向は、ピークの40分の1までに市場が縮小している地点から出発している。

  • (コンパクトカメラについて)
    今日のコンパクトカメラユーザーはいわゆる以前からの残留ユーザーではなく、初めてカメラを手にする若い世代だ。以前のような大きな伸びは期待していないが、若い世代に支えられ、安定的な成長を遂げている。PowerShot V10 とV1 は、このユーザー層に向けた最初の製品でこれが最後ではないだろう。新しいユーザーの様々なニーズに確実に対応できるよう検討しているので、今後のリリースに期待して欲しい。

  • (PowerShot V1がEVF非搭載なのはなぜ?)
    あらゆる機能性を考慮し、コストとのバランスを取った結果、ファインダーなしという結論に至った。オプションの外付けEVFの要望はあるが、こうした製品は売れ行きが芳しく無く、正直言ってあまり好評ではなかった。

  • (スチルが軽視されているのではないかという懸念があるが)
    我々は常に感度、解像度、ダイナミックレンジの向上に取り組んできた。これらはすべて、最高の画質の実現に貢献し、成長を牽引する原動力となるだろう。今後もこの努力を続けていく。画像処理の技術だけではなく、ディープラーニングとAIの技術をすべて統合することで、更に向上していくことができると考えている。

  • (AIによってどのような改善が期待できるのか?)
    EOS R1には動作を認識するシステムが搭載されている。これを他のカメラにも搭載するのは簡単なことではないが、しばらくすればこの技術も低価格モデルに降りてくるだろう。

  • (サードパーティー製レンズについて)
    私たちの戦略は「いかに顧客に喜んでもらえるか」という点に基づいて決定されており、パートナー選びの基準はそこにある。いつかまたここに来て、環境や状況が変わったと言える日が来ると思う。(シグマとタムロンのAPS-Cレンズのライセンス契約は)もしかすると、これは何らかの変化の小さな兆候かもしれない。

 

コンパクトカメラに関しては、新たにカメラを始める若い世代向けにPowerShot Vシリーズを今後も拡張していく方針のようですね。どのようなレンズ一体カメラが登場するのか楽しみです。

また、サードパーティー製レンズに関しては、微妙な表現ですが、今後もライセンスを拡大していくことを示唆していると捉えてよさそうです。ライセンスがAPS-Cのみにとどまるのか、いずれフルサイズもライセンスするのかが一番気になる点ですね。