キヤノン「RF75-300mm F4.5-5.6」は「EF75-300mm F4.5-5.6」の非常に残念な性能を受け継いでいる

DigitalCameraWorldに、キヤノンの低価格な望遠ズーム「RF75-300mm F4-5.6」のレビューが掲載されています。

Canon RF 75-300mm f/4-5.6 review

  • ベースとなったEF75-300mm F4.5-5.6III はベーシックなDCモーターを採用し動作が遅く、騒音も大きく、AF時に前玉とフォーカスリングが回転し操作性も悪かった。また、防塵防滴ではなく造りは安っぽい。私は以前にこのレンズをテストして大いに失望した。新しいRFバージョンの75-300mmはこのレンズの完全なコピーのように見える。
  • 価格は289ポンドで、物価上昇を考えると純正のRFレンズとしては非常に安価だ。
  • RF75-300mmは非常にコンパクトで軽量なレンズでエントリーレベルのEOS R最適なレンズなのに手ぶれ補正が搭載されていないのは残念だ。
  • 鏡筒はズームで繰り出し、かなり伸びる。現代のレンズとしてはフォーカシングで前玉とフォーカスリングが回転するのは珍しい。フォーカスリングに触れないようにする必要があるので、操作性は悪くなるが、フォーカスリングは前方にあるので、触れないようにすること自体は比較的簡単だ。
  • 前玉が回転するので偏光フィルターやグラデーションフィルター、スターバーストフィルターなどを使用するのは面倒だ。

  • 実写テスト:AFは比較的遅く作動音が大きいが、AF精度はかなり安定している。解像力は画面中央ではズーム全域でまずまずで、望遠端のみ低下する。画面中間部は比較的甘く、周辺や隅では更に残念な結果になる。
  • 色収差は広角端ではわずかだが、望遠側にズームするにしたがって悪化し、200~300mmではかなり酷い状態になる。しかし、自動補正で色収差は大きく改善することができる。
  • 歪曲は広角端ではほとんどゼロだが、望遠側にズームするに従って糸巻き型が目立ち始める。しかし、多くのRFレンズと比べると補正前の歪曲はずっと小さい。
  • 全体的にはこのレンズの性能は期待外れを言わざるを得ない。

  • ラボテスト(解像力):中央の解像力は望遠端を除けばかなり良好だが、周辺部に向かうにつれてすぐに低下し、周辺部や隅の解像力はかなり残念なものだ。

canon_RF75-300mmF45-56_dcw_mtf_001.png

  • ラボテスト(色収差):自動補正無効の状態では135mmで色収差が明確に見られ、それ以上の焦点距離では非常に目立つ。特に200~300mmでは顕著だ。
  • ラボテスト(歪曲):広角端では歪曲はほとんど無いが、望遠側にズームするにしたがって糸巻き型の歪曲が強くなる。とは言え、歪曲の大きさはミラーレス用に設計された多くのレンズと比べるとかなり小さい。

  • 結論:このレンズはどうしても好きになれない。軽量コンパクトで安価なのは確かだが、これまで使ってきたRFレンズと比べるとかなり時代遅れで、25年前の時代に戻ってしまったように感じる。その当時でさえ、EF75-300mmは非常に残念なレンズだと思ってたので、今ではどんなに価格が安くても、キヤノンの純正ブランドにはもっと良いレンズを期待してしまう。
  • 私はEF75-300mm F4-5.6はキヤノンの一眼レフ用レンズの中で歴代最悪のレンズだと思っていたが、RF75-300mm F4-5.6はそのレンズのミラーレスバージョンだ。RFバージョンは小型軽量で安価という点ではEFと同じだが、AF性能が芳しく無く、操作性が悪く、手ブレ補正がなく、画質が凡庸というEFと同じ欠点があり、感心しないレンズだ。
  • 良い点:小型軽量、比較的安価、クラシックな望遠のズーム域。
  • 悪い点:遅くうるさいAF、前玉がフォーカシングで回転する、手ブレ補正非搭載。

 

RF75-300mm F4.5-5.6はかなり厳しい評価で、「どんなに安いレンズでも純正レンズはもっと良いレンズであるべき」とまで言われています。ベースのレンズは1999年発売のレンズで、その当時でも高性能なレンズではなかったので、現代のデジカメ用レンズのベースとしては、基本性能が不足ぎみなのかもしれませんね。

AF性能や画質が芳しくないことに加えて、手ブレ補正も非搭載なので、初心者には安くても少々勧めにくいレンズという印象です。