「SIGMA BF」はただ欲しいから欲しいカメラ

DigitalCameraWorldに、シグマのミラーレスカメラ「BF」のレビューが掲載されています。

Sigma BF review: the camera that beats Leica at its own game

  • 2014年にライカが発売したライカTも、一つのアルミニウムから削り出されたボディを採用したLマウント機だが、シグマBFはあらゆる面で大幅に進化している。シグマBFはライカの得意分野で勝利を収めた。
  • このカメラは今までに見たカメラ、使ったカメラの中で最も美しいカメラで、これほど大胆な外観のカメラは他にはない。まさに工業デザインの最高峰と言えるだろう。
  • このカメラの徹底したシンプルさは、操作方法にも反映されている。ほとんどの物理的な操作ボタンを廃しただけでなく、背面モニタのアイコンまですべてを排除している。SIGMA BFは、カメラバッグではなくポケットに手を伸ばしたくなるようなあらゆる瞬間に、スマートフォンに代わる日常使いのカメラとなることを目指している。
  • シグマBFは角張ったカメラでエッジは鋭角で、エルゴノミクスは手に優しくないと言えるだろう。私が話したほとんどの人が、このカメラを長時間持つのは不快だと感じていた。また、フロントグリップがないことで持ちにくくなっていることを指摘する人も数人いたが、私はこのカメラを全く違和感なく使えた。グリップがなくても全く問題はなかった。

  • ユーザーインターフェースはこれまでに使ったことのないもので、慣れるのに少し時間がかったが、少し慣れれば使いこなせるようになった。
  • モニタは日差しが強いと見えづらいこともあったが、スマートフォンの代替を目指したカメラなので、液晶のみの撮影は当然のことだろう。しかし、モニタがチルト式だったら(ボディの美しさが損なわれることは承知の上で)もっと良かったと思う。
  • AFには本当に感銘を受けた。シグマのAFテクノロジーはここ数年で飛躍的に進化しており、ほとんど思い通りにピントを合わせてくれた。動体の追尾性能にも非常に満足している。
  • もう一つの大きな成果はカラープリセットで、これは富士フイルムのフィルムシミュレーションに匹敵するほどの性能で、驚くほど素晴らしい仕上がりになるものもある。
  • 手ブレ補正非搭載を心配していたが、驚いたことに1000枚ほど撮影して、手ブレの兆候が見られる画像は1枚もなかった。
  • バッテリーライフは少々問題があり、1回の充電で平均180枚しか撮影できず、スペックシートにある260枚に遠く及ばなかった。
  • 動画の画質は非常に良好だが、マイク端子やヘッドホン端子、リグ穴はない。このカメラでは私は動画を撮ることはないだろう。

  • ラボテスト(解像力):全感度域でニコンZfと同等のディテールで、3300万画素のα7C IIに迫っている。
  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):低感度では全ての機種がほぼ同等だが、ISO3200を超えるとBFが輝きはじめ、他のカメラに対して1EVの差をつけている。

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  • ラボテスト(SN比):BFはテストした全ての感度でLUMIX S9とほぼ同等の低ノイズだ。

sigma_BF_SN_dcw_002.png

  • 結論:BFをLUMIX S9と比較するのは的外れで、これはライカTの精神的な後継機だ。このカメラは日常使い用のカメラになると思う。このカメラで写真を撮るのは本当に楽しい時間だった。さっと取り出して突然の機会を捉えるのに最適なカメラだ。BFはGRIIIより優れた性能のスナップ用カメラを求める人のためのカメラだと思う。バッテリーライフだけは改善して欲しい。他のカメラと性能を比較したりするタイプの人には向かないカメラで、BFは、ただ欲しいから欲しいカメラで、それでいいと思う。

  • 良い点:驚異的なデザイン、美しい画質、230GBの内蔵メモリ、撮影したくなる。
  • 悪い点:ファインダー非搭載、モニタが固定式、バッテリーライフが控えめ、最小限の端子類。

 

DigitalCameraWorldのレビュアーはBFが非常に気に入ったようで、大絶賛と言ってもいい内容ですね。特にデザインに関してはこれ以上は無いほど高い評価となっています。このカメラは操作系は最小限なので、汎用性には欠けると思いますが、スナップシューターとしてよいカメラに仕上がっているようですね。