シグマ「17-40mm F1.8 DC Art」は極めてコストパフォーマンスの高いレンズ

PetaPixelのYouTubeチャンネルに、シグマの新しい大口径標準ズーム「17-40mm F1.8 DC Art」のレビュー動画が投稿されています。

The Sigma 17-40mm f/1.8 Art Lives Up to Its Legacy!

  • 旧モデルからズーム域が拡張され、より汎用性の高い標準ズームになった。フィルター径は67mmと扱いやすく、重量も525gと軽量だ。鏡筒は防塵防滴仕様で、造りはしっかりとしており操作感も上質だ。
  • 逆光時のフレアやゴーストは比較的よく抑えられている。開放では若干ゴーストが出るものの、雰囲気の演出としても使えそうだ。光条は非常に美しく、夜景で都市のライトを活かす撮影でも威力を発揮する。
  • AFはHLAが採用され、静かで滑らかかつ素早いピント合わせが可能だ。AFはスチル・動画のどちらでも信頼性は高い。

  • 実写テストでは、17mmでも40mmでも開放から中央は非常にシャープだ。F4まで絞るとコントラストも更に向上し、周辺部の解像も良くなる。17mmではわずかに歪曲補正による周辺部の甘さが見られるものの、全体的には開放から十分実用になる。40mmでは中央のシャープさは際立っており、絞っても画質の変化は少なく安定した性能だ。総じて、このレンズは高解像力でコントラストも良好で、全ての焦点域で信頼できる光学性能を発揮する。
  • ボケは全体として滑らかで、玉ボケも比較的クリーンだが、バブルボケの傾向がやや強く、背景のうるささが気になることもある。また、背景の色ズレ(軸上色収差)がやや目立ち、特に金属フェンスやコントラストの高い場面では青や黄の色ズレが顕著になる。これは後処理で完全に除去するのは難しいため、用途に応じた使い方が求められる。
  • 動画用途でも優れた性能を持ち、軽量設計によりジンバル搭載も現実的で、機動力の高い撮影が可能だ。フォーカスブリージングも旧型に比べて大幅に改善されており、17mmではやや目立つものの、40mmではほとんど気にならないレベルに抑えられている。動画でも画質・操作性・携帯性すべてにおいてバランスが良く、安心して使えるレンズだ。

  • 現在APS-C対応の明るいズームの選択肢は非常に少なく、このようなスペックであること自体が大きな価値だ。フルサイズで24-70mm F2.8に匹敵する被写界深度を、APS-Cでコンパクトに実現できるこのレンズは、多くの写真家にとって理想的な1本になる可能性がある。さらに、価格も1000ドル以下と比較的手頃で、鏡筒の造りや描写性能を考慮すれば、極めてコストパフォーマンスの高いレンズだ。

 

シグマ17-40mm F1.8 DC ArtはF1.8通しの魅力的なスペックと高性能な光学系、実用的な大きさ重さ、比較的手頃な価格を兼ね備えており、APS-C機のユーザーには非常に訴求力の高いレンズに仕上がっていると言ってよさそうです。

ボケはややうるさくなる場合もあるようですが、尖ったスペックの割りには全体的に欠点が少ないレンズという印象です。