DigitalCameraWorldに、ソニーα6400、ニコンZ50II、キヤノンEOS R10の比較的低価格なカメラ同士での野生動物の動体撮影における比較レビューが掲載されています。
・I tried cheap cameras from Canon, Sony and Nikon on one of the most difficult subjects
- 低価格のカメラは、野生動物やスポーツなどの撮影が難しい被写体には適さないと言われてきたが、被写体検出AFの進歩により、今日の安価なカメラは、高速に動く被写体を捉える能力が向上しており、それほど悪くはないのではないかと考え始めた。
この考えを検証するために、キヤノン、ソニー、ニコンから 1,000ドル以下のカメラを 借りて、今日の低価格カメラが野生動物の撮影に適しているかどうかを確認した。
レンズは手頃な価格で購入できるキヤノンRF100-400mm F5.6-8 IS USM、ソニーE 70-350mm F4.5-6.3 G OSS、ニコン Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRを使用した。 - α6400:小型設計のため、グリップはEOS R10 や Z50II ほど大きくはなく特に大型の望遠レンズを使用する場合はグリップはそれほど快適ではない。
AFと連写性能はこの価格帯のカメラとしては優れている。しかし、α6400で最も不満に感じたのは動物の瞳AFが被写体にかなり近づかないと作動しないことだ。Z50IIとEOS R10はもっと遠くの被写体でも認識する。
動物の瞳AFはここ6年で大きく進歩しており、A6400は古さが露呈し始めている。ほとんどの鳥をロックオンするためには手動でフォーカスポイントを動かす必要があった。 - Z50II:α6400と比べるとZ50IIはサイズが大きいが、その分グリップ感もよい。Z50IIは11コマ/秒という優れた連写速度を誇る。それ以上の連写も可能だがJPEGのみとなる。
Z50IIで特に興味をそそられた機能は、-9EVの低照度までフォーカスできるAFだ。スペック上はEOS R10は-4EV、A6400は-2EVとなっている。真夜中にフクロウを探しに出かけたわけではないが、Z50IIは曇天の深い森の中でも問題なくフォーカスできた。
動物の瞳認識は、遠く離れた被写体でも非常によく機能し、2羽のスズメが急降下しているのを捉えたときは、本当に驚いた。唯一の不満は些細なこだが、鳥とペットでモードが別々になっているので、鳥と哺乳類の動物の両方がレンズの前をうろつくような場合は、モードを切り替えるか、自動被写体検出を使う必要があるということだ。 - EOS R10:R10の動物瞳認識AFは、遠くの被写体でも非常によく機能した。R10が枝の茂みから鳥を捉える精度の高さには感心した。キヤノンのハイエンドモデルは、鳥の認識でR10より少し優れているが、それでもR10は価格を考えると、驚くほどの的中率だ。
R10 を鳥の撮影に使うのが気に入ったもう1つの理由は、このカメラにはジョイスティックが搭載されていることです。これは低価格カメラでは珍しい機能だ。動物瞳AFは鳥をかなり正確に捉えるが、ジョイスティックを使うことで、複数の被写体を切り替えたり、フォーカスエリアを狭めてさらにAFを高速化したりするのが簡単になる。
そして、程よい大きさのグリップと相まって、R10は手に持った時の感触が抜群だ。しかし、Z50 IIやA6400と異なりR10は防塵防滴仕様ではないため、雨天時はカバーなしで持ち出すのは避けるべきだ。 - 結論:安価なカメラはここ5年で大きく進化した。今では安価なカメラでも野生動物の写真を撮ることができるだけでなく、動物瞳AFの進歩により、10年前よりもはるかに簡単に撮影できるようになった。
EOS R10、A6400、Z50IIは、野生動物のような難しいジャンルでも驚くほど優れた性能を発揮する。しかし、動物認識AFではR10とZ50IIが勝利を収め、A6400は若干劣っていた。
Z50IIは、価格の割にAFの低照度性能が優れている。A6400はコンパクトで野生動物から旅行まで、幅広い撮影に対応できる。EOS R10のAF性能は高く、グリップとジョイスティックのエルゴノミクスは優れている。
全体的に見て、格安カメラの野生動物撮影チャレンジで一番気に入った写真はEOS R10で撮影したものだ。これはレンズの焦点距離が長かったおかげでもある。しかし、Z50 IIも迷わず購入できる。特に、この中で一番安価なカメラだということを考えるとなおさらだ。α6400は古いので、ソニーのシステムで野生動物を撮影するなら、もう少しお金を貯めてα6700を購入するかもしれない。
AF性能は最近急激に進化しているので、AFが優秀なソニーのカメラとは言え登場時期が古いα6400には被写体認識AFでの勝負は少し厳しかったようですね。
Z50IIとEOS R10はどちらも被写体認識AFは優れているようですが、R10はジョイスティックがあることで操作性で、Z50IIは低照度性能でリードしているようです。一方で耐候性ではZ50IIとα6400がリードしており、アウトドアの野生動物の撮影ではやはり防塵防滴だと安心感がありますね。
ソニー機は記事でも言及されていますが、被写体認識のAF性能を求めるなら少し価格は高くなりますが、新しいα6700を検討した方がよさそうです。
さかじゅん
50Ⅱが2024年12月、R10が2022年7月、6400が2019年2月発売。(6700は2023年7月)
販売価格で比較対象を選んだようですが、さすがに発売時期が4年から6年違うので、当然のような気がします。
ぽにょ
本文の主旨と違うかも知れませんが、α6400はチルトモニターなので室内でのペット撮影(犬猫)に限るとα6400のチルトモニターがメリットになるかも知れません。
ひの
R10はよいボディです。惜しいところは明るくて800mmくらいのレンズがキヤノンにないことです。F11単焦点とか40万円のRF100-500mmになってしまう。ボディに厳しいことを言うと野生動物撮りにいくのに防塵防滴ではないなど。でも優秀なバランスのカメラで、よく売れているのもわかります。
daipa
ニコン機は、エクスピード7を搭載したZ9から、俄然AFが良くなりました。更に練度の上がったZ50ⅡやZ5Ⅱは、本当に信頼度も上がり鳥撮り以外でも十分に使えると思います。
rocky
α6700で比較した方がSONYとしてはよりフェアだったでしょうか。ちなみに2420万画素のR10は、上位機種のR7よりも野鳥撮影のヒット率がわずかに高いらしいと何かで読みました。使い手によるのかもしれませんが、3250万画素のR7だと処理速度に多少時間がかかるのかもしれませんね。
雪月花
R10は防塵防滴もだが、低温に弱く今回テストしないため書かれていないが、-5°以下では使用出来ないケースもある。
バッテリーを温めても作動しなかった。
のげ
FUJIFILMのカメラも比較対象に加えてあげてほしい(笑)
FUJIFILMのカメラはAF弱いと言われがちなので、実際他社と比較してどうなのか、純粋に気になりますね。
motox
Z50IIは鳥と動物で認識モードを切り替えないといけないと書かれていますが、動物認識の中には鳥も含まれています。
当初は動物認識モードだけでしたが、後から鳥だけを認識する鳥専用たモードが追加されました。
なのですべての被写体を認識するモード(オート)にする必要はないはずです。
α6700は、Z50IIより500ドル(7万)も高いので流石に比較対象外なんでしょうね。
rad
R10と100-400の組み合わせはよく見かけます。
両方新品でも20万円程度なので、入門にはぴったりでしょう。
そこから上が極端に高くなってしまうのが今のCanonですが。
ペリクス
R10は小型だがグリップ感が秀逸。画質も良い。惜しむらくはメカ、電子先幕のシャッター音。
プリキャプチャ
「オートフォーカス可能な輝度範囲」についてなんですが、できればその条件についても一緒に調べてほしいなと思っています。
レンズの開放F値やAF-S時などは、ほとんどのメーカーが仕様に記載していますよね。でも、メーカーによっては「低照度対応の特別モード」や「コントラストAF限定」といった条件が付くことがあっても、仕様表には書かれていないことが多いみたいです。
こうした条件付きの「オートフォーカス可能な輝度範囲」のデータは、動きものを撮影する時にはちょっと参考にしづらいので、そのあたりも考慮していただけると嬉しいです。
れい
その三機種も「格安カメラ」と言われる時代にまでなりましたね。
10万円貯めてやっと入門機に手が届いても、F値が低いレンズは到底買えない。
α6400も良いカメラなんですけどね。
シロクロ
ひのさん
明るいとは言えませんがキヤノンには比較的安価なRF200-800mm F6.3-9 IS USMもあります
りん
Sonyは廉価版というか入門モデルをVlog方面しかアップデートしていないのがつらいところですね
手振れ補正なしの6400ボディのままAiAFやBionzXRが搭載されたモデルが出たら手振れ補正は望遠レンズに任せる形で新しい選択肢となりえそうな気がします
その時はぜひVlog機のバリアングルとすみ分けてチルトだと嬉しいですね
棚ぼたカメラマン
ソニーはおそらくα6400を更新したくない。
マグネシウムボディ、ファインダー、メカシャッター、チルトモニター、すべて高コストなものなので、これが10万ちょっとで売られるのはソニーとしては避けたい。
一方でプラスチックボディ、ファインダー省略、メカシャッター省略、バリアングルモニターと徹底的にコストダウンしたZV-E10方面には力を入れている。
下手すると6700に統合する形で6400は販売終了にする可能性もある。
VLOGユーザーは機材のコスパを最優先にしているので、カメラとしての所有感だとか質感はあまり求められていない。
Noppo
Canonはもともと、Nikonも最近エントリークラスの機種にも高級機とさほど変わらない精度の被写体認識AFを採用していますが、SONYは一定クラス以下は以前のまま。
そろそろ廉価版AIAFを開発して安価な機種にも装備していかないと、新規顧客の開拓に差をつけられるのではないでしょうか? SONY愛用者として、心配です。
ひの
シロクロさん
ありがとうございます。挙げ忘れておりました。RF200-800mmは人気あるのですが、望遠端F9、約30万円で重量2kgなんですよね…他の方がおっしゃいましたがRF100-400mmが素晴らしいだけに、間が無くてもったいないです。
まーやん
そう考えるとSONYは入門機の金銭的ハードルが高いんですね。最新機種にこだわらなければ併売されている前世代の機種も買えるということも想定しているのかもしれません。野鳥ユーザーとしては被写体認識の他、レンズも充実しているキヤノンやニコンが魅力的に映りますね。
原生花園
Z50 II は必要十分の少し上を行く機能性を備えていますね。
お値段も安いし、お買い得だったと思っています。
yoshi
冬は都内の公園で野鳥撮影を行っていますがR10と100-400mmF8で撮っている方が多いです。ニコンは軽い野鳥用のズームが無いのでZ50ⅡにFマウントのサンヨンPFかシグマのライトバズーカをつけている方をよく見かけます。軽い装備で散歩しながら撮影を楽しいでいるカメラマンが多くなりました。廉価版のカメラでも被写体認識AFがかなり良くなってきたのだと思います。