2025年前半の各メーカーの新製品の評価は?[内容更新]

PetaPixelのYouTubeチャンネルに、レビュワーによる今年前半の各メーカーの新製品の採点動画が投稿されています。

Grading Every Camera Maker: 2025 Mid-Year Review (Feat. Gordon Laing)

キヤノン

  • 製品展開は動画・Vlog志向のものが中心だ。PowerShot V1、EOS R50Vなど、Vシリーズの拡充が目立つ。一方、スチル愛好家向けの製品は少なく「G7X後継を期待していたのに」という声もある。
  • レンズ開発は堅実だが保守的だ。VCMレンズ群(動画ユーザー向け)や75-300mm(古い設計のまま)など、実用性は高いがワクワク感は薄め。20mm F1.4など明るい単焦点も登場した。
  • フルサイズマウントの閉鎖性が課題だ。依然としてRFマウントがサードパーティに広く開放されておらず、ユーザーの不満が続いている。
  • 保守的で目新しさに欠けるが、品質は安定している。製品が動画特化でやや偏っている印象。
  • 評価はC+からB-

ニコン

  • 強力な製品群とファームウェアアップデートで存在感は大きい。Zf、Z8のアップデート(ピクセルシフト対応)や動画向けのZ6III、コストパフォーマンスに優れたZ5IIなどスチルと動画両面に注力している。35mm F1.2などの高品質レンズも登場した。
  • 戦略的な動きで業界の注目を集めるている。映像制作会社REDを買収し、シネマカメラ市場への本格進出を目指すなど、攻めの姿勢が光る。
  • Zマウントは開放されているがViltroxやタムロン製レンズは登場する一方で、フルサイズ用レンズでシグマが排除されているのでは?という疑念が湧く。タムロンとの何らかの合意(シグマがZマウント用レンズを作ることを許されていない?)が関係していると推測している。
  • 評価はB+からA

ソニー

  • 新しいカメラはFX3派生モデルやFX2など少なく、失望の声があるが、一方で50-150mm F2 GMなど魅力的なレンズが登場し、レンズ面では評価は高い。
  • 多くのカメラで同一センサーを流用しており、かつての「革新のリーダー」という印象がやや薄れている。次世代センサー(グローバルシャッターなど)への期待が高まっている。
  • フルサイズ優先の戦略のためα6000系などの更新は鈍いままで、「APS-C市場のやる気のなさ」が課題。
  • 静かな前半戦で秋以降のα7SIV、α7V発表に期待がかかる。
  • 評価はC-からB-。

パナソニック

  • S1R II、S1 II/S1 II Eを一気に展開。ボディ性能は非常に高評価。ファームウェアでもオープンゲート、クロップなしの手ブレ補正などの高い機能を提供。
  • 24-60mm F2.8は低価格ながら高性能で、プロ仕様としても十分通用する仕上がりだ。 シグマとの連携により、レンズ選択肢は豊富。
  • レンズは「無難すぎる」という印象で、昔のような攻めたレンズが欲しい。
  • スチルと動画の両面でしっかりと展開しており、全体的に好感度の高い半年だった。
  • 評価はA-

富士フイルム

  • Instax Wide Evo、Instax Mini 41、X-E5、RFX100RF、X Half、23mm F2.8などがリリースされ、ユニークで多様な設計を評価している。
  • Xマウントレンズのプロ向けレンズをもっと充実させて欲しい。
  • 問題点はAFが競合他社にまだ遅れを取っていることだ。動画のAFも明らかに良くない。
  • 評価はBからA

シグマ

  • 300-600mm F5.6-6.3、シネマレンズシリーズなど多くの素晴らしいレンズがリリースされた。
  • シグマBFは驚くほどのAF性能だ。これは万人が楽しめるカメラではないがシグマは良い仕事をしている。
  • 評価はAからA+


OM SYSTEM

  • OM-5 IIとOM-3(レトロスタイルバージョン)、100-400mm IIなどマイナーアップデートが多くイノベーションに欠ける。
  • OM-5 Mark IIは人々を納得させることはできないだろう。OM-1 Mark IIもOM-5 Mark II もMark IIと呼ぶべきではない。ソニーのように後ろにaを付けるべき。
  • OM-3はレトロデザイン+積層+防塵防滴で他にはないカメラで素晴らしいものだ。
  • 評価はCからC+

ライカ

  • 今年の前半は静かだったので後半に期待したい。
  • ライカがやるべきことは生産のパフォーマンスを向上させることだ。
  • 評価はD+(ジョークで「L」と「Q」という評価もあり)

タムロン

  • 前半は静かだったので後半に期待したい。
  • 16-30mm F2.8はフィルター径を67mmに維持したままズーム域を拡大した素晴らしいレンズだ。
  • OEMでは活躍しているが、自社のレンズではシグマの影に隠れてしまっていることは否定できない。
  • 評価はC-からC+

  

キヤノンはVlog向けの少し小粒な製品が多かったためかやや低めの評価ですね。大物の製品は年末商戦に期待でしょうか。

ニコンは全体的に高い評価ですが、「シグマのZマウントレンズが排除されているのではないか?」と推測されているのが気になるところです。シグマはAPS-CのZマウントレンズは出しているので、排除されているわけではないと思いますが、ライセンスに何か厳しい条件でも付けられたのでしょうか。

ソニーは「もう少し攻めの姿勢が欲しい」という最近各所でよく言われているような評価となっていますね。APS-Cのボディも、もう少し新製品が欲しいところです。

パナソニックは今年前半は力の入った新製品が登場しており、A-の高評価も納得ですね。富士フイルムはバラエティに富んだ製品展開が評価されていますが、AF性能が問題点として指摘されています。

シグマはレンズ、ボディともに非常に高い評価となっていてAからA+はここで取り上げられているメーカーでは最高の評価ですね。

OM SYSTEMは小規模なモデルチェンジでMark IIを名乗っていることを強く批判されていますが、定期的にモデルチェンジしてくれるので安心感はありますよね。OM-3に関しては好評のようです。なお、リコー / ペンタックスに関しては特に言うことはないということです。

[追記] 初出の記事で後半部分に昨年の動画の内容を誤って掲載してしまったので、記事の後半を書き直しました。