ニコン「ZR」はここ数年で最も魅力的な動画製品

PetaPixelに、ニコンの新しいコンパクトな動画志向のカメラ「ZR」のインプレが掲載されています。

Nikon ZR Hands-On First Impressions: Zed RED Redemption

  • ニコンとREDの技術を真に融合させたカメラが登場するのはいつになるのかとずっと気になっていたが、Nikon ZRの登場によってついにその日が到来した。
  • このカメラは驚くほどコンパクトでミニマルデザインだ。重さは630グラムで、背面には印象的な液晶ディスプレイと、ありがたいことにジョイスティックも搭載されている。
  • ホットシューには新しいデジタルインターフェースが初めて搭載されており、将来的にはマイクやアダプターをケーブルレスで接続できるようになる。
  • モニタは4インチの巨大なもので、鮮明で1000ニットに達する驚くほどの明るさだ。この明るさで晴天時でも使用できるだけでなく、HDRのコンテンツを適切にプレビューできる。標準的な構造のバリアングルモニタなので、側面の端子に接続するケーブルと常に干渉してしまう。最近の多くのソニーやパナソニック機で採用されているモニタのように、もう少し可動域を広げて欲しかったと思う。
  • 端子はマイク、ヘッドホン、USB-Cを備えており、期待通りだが、マイクロHDMI端子は非常に壊れやすく、外部モニターが必要な場合は少々不便かもしれない。しかし、RAW内部収録と大型モニタを搭載していることを考えると、この端子の使用頻度は競合機よりずっと低いだろう。
  • バッテリーは連続使用で1時間強持った。これは、Z5 IIやZ6 IIIと同等だ。
  • CFexpress Type Bカードスロットと、圧縮動画の記録用のmicroSDスロットが採用されているが、残念ながら、ZRでは同時バックアップ録画がまだできないため、結局は使わないかもしれない。プロ向け動画市場への進出を進める中で、この点が改善されることを強く期待している。
  • メカシャッターはないが、読み出し速度は十分に速いため、バンディングや歪みはほとんど発生しない。
  • ボディ内手ブレ補正は非常に優れているが、パンニングやカメラの動きに合わせて手ブレ補正が効きすぎてデフォルトモードでは邪魔になる。あまりに優秀すぎるのかもしれない。そのような状況では、「スポーツ」モードの使用を勧める。
  • 動画撮影者にとってのメリットは、16:9アスペクト比で6K解像度、最大60pまで録画できることで、これは非常に印象的だ。動画のローリングシャッター歪みは非常に良好に抑えられている。
  • R3D NEは定評ある圧縮RAWビデオコーデックの12ビットバージョンで、REDシネマカメラのような16ビットではないが、十分なダイナミックレンジを提供し、既存のR3Dワークフローにスムーズに統合できる。
  • オーディオはの点でもニコンは確かな改善を行っている。3つの内蔵マイクは5つの異なる集音パターンで使用でき、ノキアのOZOアルゴリズムを活用して特定の被写体を捉えることができる。しかし、私がより興奮したのは、32ビットフロートのネイティブサポートだ。

  • ニコンは近年、動画撮影モードの使いやすさにおいて大きな進歩を遂げており、ZRはその努力の集大成と言えるだろう。2200ドルという価格設定には非常に驚いた。ZRは、ほぼ倍の4100ドルで販売されているソニーFX3の直接的な競合製品だと思う。ZRは、RAW動画の内蔵記録、6K動画、より効果的なボディ内手ブレ補正、そしてより高精細なスチルを、FX3より遥かに低い価格で提供してる。今後ZRに欠点がないか検証するが、今のところはここ数年で最も魅力的なビデオ製品の1つと言えるだろう。

 

ZRは部分積層型センサーを採用し、R3D NEによるRAW動画内部収録や32bitフロート録音などの本格的な動画機能を搭載しながら、2200ドルというミドルクラスのコンシューマー機並みの価格を実現しているのは素晴らしいですね。

手ブレ補正は強力すぎるほどで、また、ニコン機で初採用となる大型モニタは高輝度で使いやすそうです。モニタはケーブルとの干渉があるようなので、チルト+バリアングルだったら更によかったですね。