phototrendに、OM SYSTEM(OMDS)のプロダクトスペシャリストのインタビューが掲載されています。
・Interview OM System au Salon de la Photo 2025
- (OM Digital Solutions の財務健全性は?)
OMDSは依然として順調に成長を続けており、これは成長見通しに沿ったものだ。オリンパス時代末期には、写真分野の研究開発のリソース(R&D)が不足していたため、新製品はほとんど登場しなかったが、JIPによる買収後、R&Dのための新たな資金が増えている。名称変更から4~5年が経ち、OMDSが100%設計した真の新製品が登場している。 - (現在の経済状況は売上高にどのような影響があるか?)
OM SYSTEMは今年、非常に好調なスタートを切った。新製品とラインナップの刷新により、販売は好調だ。商業的なオファーのおかげで、OM-1 Mark IIへの関心が再び高まった今年は、大変満足している。我々は未だに「大きいほど良い」という文化の中にいるが、しかし実際には、これは必ずしも人々が必要としているものではない。 - (製品ラインナップやOM SYSTEMブランドの認知度に関して、日本市場と欧州市場の間に違いを感じるか?)
日本ではコンパクトカメラへの需要が非常に高く、例えばPENシリーズは常に大成功を収めてきた。一方、欧州市場では、より人間工学に基づいた、堂々としたボディが依然として重視されている。もう一つの顕著な違いは、ヨーロッパでは問題となるファインダー非搭載モデルが、日本では一般的で特に問題視されていないことだ。さらに、他の市場とは異なり、m4/3フォーマットは日本では依然として圧倒的な人気を誇っている。消費者の要望は変わってきており、今日では軽量性とコンパクトさが必須条件となっており、特に若い世代は、もはや重い機材を持ち歩くことを好まない。この新たな現実に適応する必要があり、我々はそれを目指している。 - (OM SYSTEMの市場シェアは?)
m4/3のシェアは市場の10%未満だ。 - (過去12ヶ月で最大の成功は?)
ED 90mm F3.5 Macro IS PRO は 大成功を収めた。OM -5 Mark IIも 大きな期待を集めた。しかし、最大の成功はED 50-200mm f/2.8 IS PROだ。これは10年後もベンチマークレンズとして君臨し、ブランドの歴史を彩る存在となると確信している。今年の製品から一つだけ選ぶとしたら、間違いなくこれだ。 - (ED 50-200 mm F2.8は、m4/3を成功に導いた「コンパクトで手頃な価格」という理念からかけ離れすぎているのでは?)
50-200mmは好評を博しており、価格についても批判の声は上がっていない。焦点距離、絞り値、そして手ブレ補正機能といった価値に見合った価格設定であることは、皆様もご承知の通りだ。ブースでの反響は圧倒的に好評だった。 - (OM-3のコンセプトについて。OM-3はターゲット層に受け入れられているか?)
OM-3 は ストリートフォトに特化した製品だ。残念ながら、PENのラインナップは古くなっており、OMがストリートフォトの分野で確固たる地位を築いていることを改めて証明する必要がある。PEN Fは現在、オリンパスで最も人気のあるカメラであり、中古でも新品と同等の価格で販売されている。そのため、OM-3は地位を確立し、顧客を獲得する必要がある。これまでとは異なるプレゼンテーションが必要だ。多くのクリエイティブな機能をアピールする必要がある。スペックのみでは、消費者はクリエイティブな部分を理解していないため、魅力が薄れてしまうだろう。 - (OM-3はOM-5 Mark IIやOM-1 Mark IIと比べてあまりに似ていると思わないか?)
OM-3とOM-5 Mark IIは、技術的な観点からは同じカテゴリではない。また、OM-1 Mark IIは、非常に大きなバッファを備えており、スポーツや野生動物の撮影向けに設計されている。OM-3は、野生動物撮影に適した望遠レンズの使用は想定されていない。PENシリーズはよく話題になっており、もしかしたらいつか後継機が登場するかもしれないが、現時点では、まだ分からない。 - (若い世代にOM SYSTEMを勧める理由は?)
若い世代の顧客は軽さを求めており、余分なものを持ち歩くのは嫌がる。彼らは移動を好む。そのため、かさばらないことは大きなメリットとなる。 - (予算を大幅に超過することなく高品質のレンズを使いたい写真家にとって、m4/3 はまだ優位性があるか?)
m4/3フォーマットは価格も際立っており、競合製品よりも手頃な価格であることが多い。例えば、ED 50-200mm F2.8 IS PROは3,499ユーロで、手ブレ補正機能付き100-400mm F2.8相当を実現し、市場で比類のないコストパフォーマンスを実現している。ED 300mm F4 IS PROも同様で、600mm F4相当をわずか2,549ユーロで実現している。これもまた、他に類を見ない価格だ。
OMDSの財務状況は良好のようで、最近登場した50-200mm F2.8も同社の歴史に残る製品になるほど大ヒットしているとのことなので、OMDSのユーザーの方はまずは一安心ですね。
OM-3に関してはストリートフォト用カメラとして、PEN Fの後継機的なポジションで売っていくことを考えているようです。PEN Fの後継機に関しては「いつか後継機が登場するかもしれないが、現時点では分からない」と述べられていて、完全否定ではないもののあまり可能性が高そうな雰囲気ではありませんね。
m4/3システムの今後の方針としては、これまで通りレンズを含めてフルサイズに比べて小型軽量で安価であることをアピールしていく方針のようですね。
daipa
確かに売上はここ数年順調に伸ばしていますが、利益はずーっと赤字なので、今年度はどうなんでしょうか? 累積の赤字は結構な規模になっているので、開発費に潤沢な予算を割くまでになるにはもう少し時間が掛かるように思います。とにかく頑張って欲しい。
田舎のカメラ好き
ユーザーにとって前向きな内容の記事はうれしいのですが、他のメーカーに比べボディのファームアップ頻度が低く、本当に人的リソースが足りているのか心配です。
DE51V
海外でもPEN Fは人気になっているのでしょうか?てっきり日本だけかと思っていました。
ニコ爺
メインはニコンフルサイズ使いです。
今年からOMデビューし、ニコンとOMの並用です。
OMの強力な手振れ補正には驚愕しています。
センサーサイズが小さいというハンデはありますが、軽量且つ強靭な手振れ補正の魔力に取り憑かれ、ニコンとの並用で充実した写真ライフを楽しんでいます。
マイクロフォーサーズの強力な手振れ補正を享受するため、先日100-400も加わりました。
OM SYSTEMSの魅力に皆様が気がつくことを願います。
ジェラ
オリンパス時代からインタビューの内容はずっとこんな感じという印象です。
Shiba
会社として販売好調とのことで、何よりです。ユーザーとしてもこういう情報が出ると、安心して新製品を購入できます。
OM-3についてですが、ストリートフォト用というには少し大柄なので、もう一回り小型のバッテリーにして、ボディ横幅を小型にしていれば良かったかもしれないですね。
実機見て、大きいのでやめたという声も聞きくので、少し勿体無かったかなと。
あとは、レンズは新製品の50-200mmが好調なようですが、ボディ側はOM-1は1世代前、OM-5は2世代前の中身がそのまま使われていて、OM-3もOM-1の派生モデルです。
ボディ側の開発も、もう少し頑張ってもらって、次の世代の本当の新製品をそろそろ見たいですね。
doracame
OM-3は確かに大変優れた機種で、ストリートフォト等でも十分活躍できると思います。しかし、ネイチャーやスポーツなど連写、AF性能、高精細さなどにハイエンドのスペックを第一に求められる分野と違って、ストリートフォトではカメラそのものの持つ雰囲気や、撮影に適したサイズや重量が一層重要と思います。いろんなお考えがあるとは思いますが、センターファインダーではなく,サイドファインダー(RF型)がどうしても適していると考えますが、ストリートフォトグラファーの皆さんや各メーカの担当者の皆さんはどうお考えなのでしょうか? Fujifilmさんを含めてRF型(EVF付)、とくに普及機からミドルクラスの機種がなくなってしまっていることが残念でなりません。背面モニターがいくら性能UPしても高齢者には使いにくいです。
えかき
会社として上手くいっているのは良いことです。ただ銀塩時代から使っている1ユーザーとしてはスッキリしておりません。個人的にはE-M5初代発売時とE-M1mk2発売時はワクワクもメーター振り切るくらいしたものですが、最近はその勢いは感じられません。OM-3は期待しましたが大きすぎるし、電源スイッチのデザインが悪すぎる。良いレンズは大きく重くてどうもなあ。12-45と40-150のF4シリーズにクラッチさえあればと悔やまれます。
これ以上の画素数もいらないしAFはもう諦めてますが、手ぶれ補正は今も最強だし、SSWFも完璧。なので浮気することはないですが、フォーマットの小ささを活かした小型で品の良いカメラ・レンズを出してほしいものです。