タムロン「25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2」は便利なレンズだがシグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG」により多くの利点がある

PetaPixelに、タムロンの新しい高倍率ズーム「25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2」とシグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG」との比較レビューが掲載されています。

Tamron 25-200mm f/2.8-5.6 Di III VXD G2 Review: Travel Light

  • 25-200mm F/2.5-5.6はフィルター径67mmの非常にコンパクトなレンズで、持ち運びしやすいサイズだ。重さはわずか575グラムで、シグマの20-200mm F3.5-6.3とほぼ同じ大きさ重さだ。
  • 25-200mmはズームにロックスイッチが付いているが、このスイッチはズーム操作の前に解除する必要があり、シグマ20-200mmのズームロックスイッチ(少し力を入れてズームするだけで解除される)とは対照的だ。
  • フォーカスリングはもう少し重さがあればよかった。タムロンはAF/MFの切り替えスイッチが無く、切り替えスイッチのあるシグマの方がマクロ撮影時にAF/MFを素早く切り替えられて便利だ。

  • 逆光ではタムロンはフレア耐性が高く、良好なコントラストが維持されている。ゴーストは若干見られるが、これは絞り込んだ時のみ目立つもので影響はわずかだ。ゴーストの点ではタムロンがシグマよりも優れていると感じた。
  • AFはVXDの採用で驚くほど優れている。α7RVIでのテストでは、被写体の認識と追尾に問題は見られず、このAFの速度の滑らかさはほとんどのユーザーにとっては理想的と言えるだろう。
  • 解像力テストでは、タムロンはズーム全域で優れた解像力で、25mm開放で中央の解像力は印象的で四隅も優れている。コントラストも良好だ。絞るとコントラストは改善するが全体的にはほぼ同じ結果だ。タムロンの25mmとシグマの20mmを比較すると、シグマは周辺光量落ちは大きいが解像力はほぼ同等だ。
  • 200mmの解像力はタムロンは開放で中央は良好で、絞ると顕著に向上するが、周辺は絞りにかかわらず若干甘い。それでも200mmでの描写は良好で満足のいくものだった。シグマは200mmでもタムロンよりも安定しており、望遠域全体で優れた解像力で、周辺部の解像力の優れている。200mmではシグマが優位にある。
  • タムロンは25mmで1:1.9のマクロ機能は便利だが、ワーキングディスタンスは前玉から被写体まで数ミリとかなり狭く、被写体がレンズの影になってしまう。シグマは28mmから85mmまでのズーム域でマクロ撮影ができるので、ワーキングディスタンスを大きく取ることができ、タムロンよりも明らかに優れている。
  • タムロンの最大のメリットはシグマに比べて明るいことだ。
  • ボケはタムロンは玉ボケが滑らかで背景のボケも柔らかいが、シグマは全体的にボケが硬めだ。ボケはタムロンがシグマよりも優れている。

  • タムロン25-200mm F/2.8-5.6は便利なトラベルレンズとしては優れた光学性能で、持ち歩き用のレンズとしては理想的だ。レンズ1本だけを持って外出する場合でも便利で、暗所でも十分な明るさだ。しかし、シグマと比較するとシグマに多くの利点があり、シグマのマクロ撮影の能力と20mmの広角というアドバンテージはあらゆる場面で非常に便利だ。また、シグマの操作性とMFの使いやすさも評価が高い。旅行用のズームでは汎用性の高さで多くの場合でタムロンよりもシグマを勧める。しかし、逆光耐性とボケ、そして若干の明るさを重視するならタムロン25-200mmも期待を裏切らないだろう。
  • タムロン25-200mmを購入するべきだろうか? イエスだ。このレンズは汎用性が高く優れた描写力だ。ただ、シグマ20-200mmの方がより良い選択肢になるかもしれない。

 

タムロン25-200mmは旧型と比べるとワイド端が短くなり、VXDの採用でAFが改善されるなどかなり進化しており、魅力的な高倍率ズームに仕上がっているという印象ですが、ここではライバルのシグマ20-200mmとの比較で「シグマに多くの利点があり、多くの場合でシグマを勧める」というタムロンにはやや厳しい評価となっています。

ただ、ボケや逆光耐性ではタムロンが高い評価で、また、タムロンの方が全体的に明るいので、その辺りを重視する方にはタムロンが良い選択肢になりそうです。