ARRIが2つの製造拠点を閉鎖し人員を削減

PetaPixelに、8月に売却が検討されていると報道されてたARRIの拠点閉鎖と人員削減に関するニュースが掲載されています。

Arri to Close Two Facilities Amid Rapidly Changing Cinema Landscape

  • ARRIの継続的な財政難と厳しいプロ映画業界情勢の中、今週、ARRIは人員削減を行い、主に照明機器の製造に注力している2つの拠点を閉鎖すると発表した。ブルームバーグの報道によると、ARRIグループの人員削減は映画産業の幅広い衰退によるもので、ARRIが今年初めに売却を検討し始めたのも同じ理由だ。

    8月にARRIが売却を検討しているという報道が浮上した際、ARRIがコンサルティング会社AlixPartnersと提携して「事業の効率化」に取り組んでいるというニュースも報じられた。これらの取り組みと、ドイツにある照明工場、修理、流通事業所を閉鎖するというARRIの新たな決定との間にある繋がりは明らかだ。ブルームバーグの報道によると、これらの照明センターは年末までに閉鎖され、150人が現在の職を失うことになるという。

    ARRIは1917年に設立され、長きにわたり映画業界の主力製品として君臨してきた。現在、映像業界全体にわたって、手頃な価格のプロシューマー向け製品が高価なプロ向け製品に取って代わるという傾向にある。撮影監督のザカリー・サンドバーグはRedditにこう書いている。「『ハイエンド』はもはや通用しない。95%の目的を達成できる、あらゆるものの廉価版が存在する」

    ARRIは照明業界から撤退するようだ。しかし、7月に5万5000ドルで発表された新型ARRI Alexa 35 Xtremeカメラを含め、同社のハイエンドシネマカメラは引き続きフル生産されている。

 

8月にブルームバーグに事業売却が報じられたARRIですが、これについては同社は直接のコメントを避け、「事業の見直しを行っている」とだけコメントしていました。

今回の拠点閉鎖のニュースは事業の立て直しの一環なのか、売却のための整理なのか、どのような動きなのか気になるところです。ARRIは歴史のある映像機器メーカーですが、最近は本格的な映像作品でもアマチュアに購入できる価格帯の機器で作成できてしまうことも多いので、ARRIのような非常に高価なプロ用機材のメーカーには厳しい状況なのかもしれませんね。