ニコン「Z DX 16-50mm f/2.8 VR」はズーム全域で単焦点レンズに匹敵する解像力

DigitalCameraWorldに、ニコンのAPS-C対応の標準ズーム「Z DX 16-50mm f/2.8 VR」のレビューが掲載されています。

Nikon Z DX 16-50mm f/2.8 VR review: The Z DX system comes of age with this premium standard zoom

  • 価格は799ドルで、Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの約3倍だが、このレンズは一般向けというよりもマニアやプロユース向けの設計なので、正直なところ、これより安価な価格を期待してはいなかった。Z 24-70mm f/2.8 S IIが2,797ドルであることなど、総合的に考えると、Z DX 16-50mm f/2.8 VRは、かなりお買い得と言えるかもしれない。
  • このレンズは、超軽量なZ DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRよりも大きく重いが、それでも驚くほどコンパクトで、f/2.8固定のズームとしては扱いやすい。
  • VR搭載は嬉しい点で、ニコンのDX機でIBISを搭載した機種が今のところ存在しないことを考えると、これは不可欠な要素だと思う。
  • ニコンのDXレンズはプラスチックマウントを採用していたが、このレンズは金属製のマウントが採用されているのが嬉しい。防塵防滴かどうかは明言されていないが、マウントはゴムでシーリングされている。
  • 操作性はAF/MFやVRのON/OFFスイッチが搭載されておらず、メニューから設定しなければならないので、操作に手間取ることになる。フォーカスリングとコントロールリングは滑らかに動くが、コントロールリングは快適に操作するには少し細い。

  • (実写テスト)ほぼ全てのズーム域と絞り値で、画面の中央から隅までシャープな描写だ。16~35mmでは色収差が少し目立つが、これは自動補正で簡単に補正できる。ボケは実に滑らかで素晴らしいものだ。玉ボケは画面の周辺部でも円形でこれは素晴らしいことだ。また、玉ボケには年輪ボケも見られない。
  • AFは速く作動音はほとんどしない。フォーカスブリージングを最小に抑える設計で、ピントを移動しても画角は一定に保たれている。無段階のコントロールリングもあり、動画撮影には最適だ。

  • (ラボテスト:解像力)中央の解像力は非常に優れており、隅まで印象的な解像力だ。解像力はズーム全域で単焦点レンズに匹敵する良好な性能だ。

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  • (ラボテスト:色収差)未補正では16~35mmのズーム域では隅に色収差が目立つが、自動補正で完全に除去できる。
  • (ラボテスト:歪曲)歪曲は標準ズームとしては信じられないほど良く見えるが、このレンズは自動補正に依存しており、補正を無効にすることはできない。

  • (結論)このレンズの魅力はF2.8の明るさで、その明るさでもなお、驚くほどコンパクトで軽量なパッケージとなっている。このレンズはマウントがプラスチックではなく金属製で、マウントに防塵防滴のシーリングまで施されていて、他の多くのDXレンズと比べて高級感のある造りが気に入っている。AF/MFスイッチ、VRのON/OFFスイッチがない点とコントロールリングの細さが個人的にはあまり好きではない点だが、レンズの大きさを考えれば許容範囲内だ。安価ではないが、総じて優れた性能でそれだけ払う価値は十分にあるだろう。
  • 良い点:明るく一定のF2.8の絞り、高級感のある造り、ハイブリッド撮影に最適化、4.5段分の効果のVR。
  • 悪い点:AF/MF切り替えスイッチがない、VRのON/OFFスイッチがない、コントロールリングが細い。

 

Z DX 16-50mm f/2.8はスペックの割りに軽量コンパクトなレンズですが、ズーム全域でシャープで光学性能はかなり優秀なようです。中間域から広角側で倍率色収差が目立つようですが、これは電子補正で対応できるので問題はなさそうです。ボケがズームとしてはかなり綺麗なのもポイントが高いですね。

ウィークポイントとしては鏡筒にスイッチ類の無いことと、コントロールリングの細さが指摘されていますが、コンパクトな設計のレンズなので、これは仕方ないところかもしれません。