富士フイルム「XC13-33mm F3.5-6.3 OIS」は軽量コンパクトだが画質に妥協していないレンズ

ePHOTOzineに、富士フイルムの新しい標準ズーム「XC13-33mm F3.5-6.3 OIS」のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XC 13-33mm f/3.5-6.3 OIS Lens Review

  • このレンズの狙いは非常に明確で、それは、軽量コンパクトでありながら画質に妥協しないことだ。このレンズは実に軽量で、キャップを外した状態で重さはわずか125g、サイズはレンズを収納した状態で61.9mm x 37.5mmと非常にコンパクトだ。
  • 13-33mmというズーム域は一見すると珍しいが、35mm換算で20-50mmとなることを考えると納得がいく。
  • マウントはプラスチック製だが、軽量なこのレンズには問題はなく、良好な耐久性が期待できる。マウントの装着感は滑らかで、しっかりとしている。
  • AFは高速、正確でほぼ無音だ。最短撮影距離は20cmで、33mm判換算で最大0.25倍の撮影倍率だ。これはマクロとまではいかないが、実用的で汎用性の高い近接性能だ。
  • 取扱説明書に三脚使用時はOISをオフにするようにと記載されている。実際には(OISがONのままでも)全く影響しないレンズが多いが、このレンズの場合は本当に影響がある。(三脚を使用した際に)撮影後にOISをオフにしてもう一度撮影しなおす必要があった。

  • 解像力は13mmでは中央の解像力はF3.5からF11では素晴らしく、周辺部はやや劣るもののF3.5-5.6では依然として非常に良好だ。16mmでは中央はF3.9からF8で際立っており、周辺部はF4.5からF8では非常に良好だ。33mmでは中央はF6.3からF11までは素晴らしく、周辺部はF8からF11で非常に良好だ。解像力は中央重視だが、中程度まで絞り込むと隅まで十分シャープになる。

fujifilm_XC13-33mmF35-63OIS_epz_mtf_001.jpgfujifilm_XC13-33mmF35-63OIS_epz_mtf_002.jpg

  • 歪曲収差は、13mmで-0.84%、16mmで-0.26%、50mmで-0.12%とわずかだ。これは電子補正で実現されていることは明らかだが、重要なのは最終的な結果で、この結果は非常に素晴らしい。
  • 倍率色収差は非常に良好で、33mm開放では周辺部で若干増えるが、補正が必要になる可能性は低いだろう。
  • ボケは許容範囲内で心地よいものだが、際立ったものではない。雑然とした背景はもう少し滑らかだとよかったが、被写体によっては、それほど問題にならないかもしれない。
  • フードがないにもかかわらず、画面内に明るい光源があってもフレアは最小限に抑えられている。
  • 周辺光量落ちは驚くほど少なく(13mm開放で-0.9EV、33mm開放で-0.3EV)、目立たない。
  • このレンズの価格は329ポンド、X-T30IIIのキットレンズとして購入すればわずか170ポンドと非常にお買い得だ。

  • 軽量化を求めるが画質にも妥協したくないなら、XC 13-33mm F3.5-6.3 OISレンズはまさにうってつけのレンズだ。軽量コンパクトで、操作性もよくAFは高速でかつ信頼性が高く、扱いやすく、ズーム広角端が13mm(換算20mm)の広さなので非常に便利だ。完璧というわけではなく、周辺部の解像力は中央に比べて劣るが、とはいえ、全体的に、画像は隅々まで鮮明に見えるので、ピクセル等倍でチェックしなければ非常に満足のいく結果が得られる。私にとっては最大の欠点は防塵防滴ではないことだが、このレンズが初心者用キットレンズであることを考えれば欠点を見つけるのは難しく、強くお勧めできるレンズだ。
  • 良い点:中心部の解像力、倍率色収差が非常に少ない、周辺光量落ちが穏やか、近接性能、4段分の効果のOIS、歪曲が小さい、手頃な価格、軽量コンパクト。
  • 悪い点:防塵防滴ではない、フードが標準装備ではない。

 

XC13-33mm F3.5-6.3は広角端が13mmスタートという尖ったスペックの標準ズームですが、キットレンズとしては十分以上な光学性能で、コストパフォーマンスはかなり高そうです。広角端が20mmまであるので、風景や室内の撮影、自撮り、Vlogなどで活躍してくれそうですね。