ニコンは採算よりも性能を最優先するDNAが骨の髄までしみついている

東洋経済オンラインにニコンのタイ工場でのカメラ製造にまつわる話が掲載されています。

ニコン製カメラを支えるタイ工場、現地社員も共有する品質重視のベクトル

  • 日本は請負会社を使っているから指揮命令系統が複雑になることが避けられない。その点、タイのほうがよっぽどやりやすいのではないか(ニコンタイランドの金澤健一社長談)。
  • タイ工場には勤続年数が10年以上のタイ人正社員が800人ほどおり、定着率も高い。タイの東大ともいわれる大学で機械工学などを修めた優秀な技術者も珍しくない。
  • ニコンは軍需品の製造からスタートしているため、採算よりも性能を最優先するDNAが骨の髄までしみついている。
  • 刈谷社長就任後は、D40、D3、D300などヒットを連発し世界シェアを39.5%に拡大、キヤノンのシェアは40.7%に落ち込み、その差を大きく詰めた。
  • 国内回帰を図ったキヤノンの為替感応度は精密業界の競合と比べてかなり大きく、為替が10円円高になると、キヤノンは56.9%利益が減る。海外への製造シフトを推し進めてきたニコンは18.2%でキヤノンの為替変動への耐性の低さが目立つ。
  • 円高で国内製造の意義は薄れつつある。キヤノンは円高が業績の打撃になったほか、非正規切りで批判を受けた。メード・イン・ジャパンはこれまでにない逆風にさらされ始めたと言っていいかもしれない。

 

これだけを読むとごく普通の記事なのですが、以前に紹介した「キヤノンの品質不良」の記事と併せて読むと、ニコンとキヤノンの対比が明確で、ある意味面白い内容になっていると思います。それにしても、東洋経済はニコンにはずいぶんと好意的ですね。

東洋経済オンラインの「キヤノンの品質不良」の記事を読んでいない方は、関連記事のリンクから先にそちらの記事を読んでみてください。

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