パナソニックLUMIX G 14-140mm F4-5.8 O.I.S.は中央の画質は良好だが周辺部はあまり感心しない

photozoneに、パナソニックLUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH. MEGA O.I.S.のレビューが掲載されています。

Panasonic LUMIX G VARIO HD 14-140mm f/4.0-5.8 ASPH. O.I.S. - Review / Test Report

  • 鏡筒の造りはとても良好だ。鏡筒はプラスチック製(マウントは金属製)で、しっかりと組み立てられている。フォーカスリングとズームリングは極めてスムーズに動く。AFはインナーフォーカスで、正確で比較的速い。作動音はほとんどしないので、動画撮影に向いている。
  • 歪曲は14mmでは1.78%の穏やかなタル型、140mmでは0.06%のごくわずかな糸巻き型で、実写では心配はない。しかし、無補正のRAWでは状況が異なり、14mmでは6.16%の極端なタル型、140mmでは0.52%のわずかなタル型だ。
  • 周辺光量落ちは14mm開放では1.1EVと非常に顕著で実写でも目立つが、F5.6に絞れば状況は改善し、F8以上では問題はなくなる。しかし、未補正のRAWではかなり悪い結果で、特に140mmでは1.9EVの極めて大きな周辺光量落ちがあり、これは4/3用のテストチャートの標準スケールをさえ超えてしまうものだ。
  • 解像力は、中央は広角から中間域までは概ねとても良好(very good)で、それ以上の焦点距離では良い(good)のレベルに落ちる。周辺部の画質はよくないが、70mm前後までは良い(good)のレベルだ。しかし、望遠側では周辺部のディテールを捕らえたいなら開放で使うのは避けるべきだ。解像力に関しては、ズーム域の広さを考えれば許容範囲だが、可もなく不可もない性能だ。
  • 倍率色収差は自動補正後が0.7ピクセル前後、未補正のRAWで1.4ピクセル前後で、ズーム全域で目に付く。倍率色収差はこのレンズの弱点で、自動補正されないオリンパスのカメラでは気になるかもしれない。しかし、最も良好な14mmでは色収差は少ない。
  • このレンズは、まずまずの性能の10倍ズームだ。中央はズーム全域で良好な性能だが、一方で周辺部と四隅の性能はあまり感心しない(特に望遠端付近では)。倍率色収差が大きいのは、特に色収差が自動補正されないオリンパス機で使う場合は問題がある。多くのレンズを持ち歩きたくない人で、このような高倍率ズームの性能を許容できる人に向いたレンズだ。肯定的な面では、とても作動音が小さく動画もターゲットにしている高速なAFがあげられる。

 

光学性能はあまり肯定的な評価ではないようですが、解像力は望遠端の開放以外は無難な値で、高倍率ズームとしては決して悪くはないという印象です。色収差や歪曲、周辺光量落ちも補正後の値で見れば問題はなさそうです。

このレンズは、リニアモーターによる静かなAFや連続的に動作する絞りなど、動画用の機能が充実しているレンズなので、スチルだけでなく動画の面からも評価してあげたいところですね。