タムロン「10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLD」は隅が甘く絞る必要がある

Iamging Resource に、タムロンのAPS-C用の広角ズーム「10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLD」 の屋外の実写によるレビューが掲載されています。

Tamron 10-24mm f/3.5-4.5 Di II VC HLD Field Test

  • 新型は旧型から外観が大きく変わっており、より洗練されていて上のクラスの製品に見える。柔らかいマット仕上げは、とても素晴らしい。鏡筒はコンパクトだが、しっかりとしている。
  • ズームリングは滑らかに回転し、ハイエンドレンズの感触だ。フォーカスリングは少し緩く、好きな感触ではない。とは言うものの、正確なピント合わせが可能だ。
  • 解像力は、中央はとても素晴らしいが、隅は甘く、特に開放では甘い。
  • 近接撮影では、10mm開放では隅の解像力は更に低下する。絞ると改善するがF11からは回折の影響が見られる。その上、10mmではかなりの歪曲が見られる。
  • 遠距離では、甘さは近接撮影時ほど目立たず、10mmでも画面のかなりの部分で良好だが、それでも、隅は期待はずれの性能だ。
  • 15mmの画面全域の性能は、10mmよりは若干良好だが、それでも隅は問題がある。
  • 24mmでは画面全域でとても良好な性能で、近接撮影時でもとても良好だ。しかし、少なくともF8まで絞る必要がある。F11では少し回折の影響が見られるが、24mmではF16まではそれほど悪くはない。
  • 全体として、解像力ではこのレンズは驚くような性能ではないが、価格とズーム域を考えれば、まずまずのレンズだ。
  • 周辺光量落ちは10mmの開放では非常に目立ち、F8まで絞らないと目に付く。風景の撮影で空を画面に大きく入れる場合には、少なくともF8まで絞ることを勧める。24mmでも周辺光量落ちはF8で解消するが、開放でも10mmほどは目立たない。
  • 逆光耐性は、旧型と比較すると改善されており、良好な性能だ。
  • 色収差は非常に良く補正されており、とても感心したが、開放時の隅ではいくらか問題が見られる。
  • ボケは広角レンズにもかかわらず、非常に柔らかい。
  • 新しいHLDによるAFは、D500との組み合わせでは良好に動作し、ズーム全域で非常に速い。作動音は無音ではないが、とても静かだ。このレンズは、フルタイムマニュアルフォーカスが可能だ。
  • このレンズは、APS-C用の良好な画質(特に画面の中央は)で手頃な価格のレンズだが、隅で良好な性能を得るには絞る必要があり、特に広角端では絞る必要がある。手頃な価格のAPS-Cの広角ズームを探してる人は、タムロン10-24mm II は検討する価値があるだろう。
  • 良い点:価格の割りに非常に良好な造り、画面の中間域までの良好な画質、ボケが素晴らしい、手振れ補正が良好、コストパフォーマンス。
  • 悪い点:隅の解像力が期待はずれ、近距離では隅が更に甘くなる、広角端の歪曲。

 

このレンズは開放付近では隅が甘いようですが、絞れば十分に改善するようなので、風景ではそれほど問題はなさそうです。ボケは、確かに広角ズームとしてはなかなか綺麗という印象です。鏡筒はSPシリーズと似たデザインで、この価格のレンズとしては質感はかなり高そうですね。