ソニー「FE 24mm F2.8 G」は開放付近ではシャープだが絞ると周辺が甘くなる

LensTipに、ソニーのコンパクトな広角単焦点レンズ「FE 24mm F2.8 G」のレビューが掲載されています。

Lens review Sony FE 24 mm f/2.8 G

  • フォーカスリングは電子式だ。回転角は回す速さで変わるが約160度で、十分な精度でピントを合わせることができる。
  • 中央の解像力は、開放で既に64lpmm(良像の基準値は39~41lpmm)、絞ると70lpmmを超える値で、ひと目で不満がないものだと分かる。この性能はFE40mm F2.5Gには及ばないが、タムロンとサムヤンの24mm F2.8には優っている。
  • 隅の解像力は普通のレンズとは異なり開放時が最も高い。これは絞ったときの色収差の増加が関係している。F2.8とF4では、隅の解像力は良像の基準値のボーダーライン上で、F5.6以上に絞ると基準値を下回ってしまうため、問題がある。画面全域で高解像力を得たい場合は、あまり絞らないことを勧める。

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  • 軸上色収差は問題なく、ここではソニーがタムロンとサムヤンの24mm F2.8に優っている。
  • 倍率色収差は開放では中程度のレベルだが、絞ると非常に速く上昇し「高い」値になる。この結果は、24mm F2.8Gの構成枚数の少なさやEDレンズの少なさを感じさせる。結果として、ここではソニーはタムロンよりも著しく悪く、サムヤンよりも少し悪くなっている。
  • 球面収差の補正は、前側のボケに縁取りがあるが後側のボケに縁取りがなく、少々問題だが、フォーカスシフトは見られない。

  • 歪曲はJPEGでは0.36%のわずかな糸巻き型だが、RAWでは-8.62%に達する極めて大きいタル型で、これは設計者が歪曲の光学補正を完全に放棄していることを示している。この結果はライバルと比較しても特に劣っている。タムロンの歪曲は-5.89%だが、それでもソニーよりは大幅に優れている。
  • コマ収差はフルサイズの隅では影響が見られるが、それほど激しいものではなく、1段絞ると明確に改善する。このカテゴリではライバルと同程度だ。
  • 非点収差は5.6%の小さな値で不満はない。
  • 玉ボケは、明確な年輪ボケは見られないが、明るい輪郭は容易に見て取れる。また、開放時の口径食は非常に目立ち、2段絞っても解消しない。

  • 周辺光量落ちはRAWでは65%(-3.02EV)で、F4では57%(-2.44EV)、F5.6で54%(-2.27EV)、F8では53%(-2.17EV)になる。この結果はタムロンの24mm F2.8と同程度で、74%のサムヤンよりは良好だ。
  • 逆光耐性は非常に良好で、フレアはほとんど見られず、コントラストは適切に維持されている。ここではソニーはライバルよりも遥かに優れている。拍手!
  • AFは作動音が全くなく、非常に速い。最短から無限遠までは0.3~0.4秒だ。AF精度は模範的と言えるもので、前ピンや後ピンの傾向も見られない。

  • ソニーが発表した24mm、40mm、50mmの新レンズのうち、この24mm F2.8は恐らく最も設計が難しいレンズで、それがテスト結果にも現れている。中央の解像力は非常に優秀で、逆光耐性も優れているが、いくつかの弱点もあり、これに700ユーロの価格も追加すると、ソニーが期待しているほど人気がでないかもしれない。
  • 予算が限られているなら、タムロンやサムヤンの24mm F2.8に目を向けた方がいいだろう。解像力はソニーに劣るが価格はほぼ半額だ。しかし、ソニー24mm F2.8Gはよくまとまったレンズで、シャープな画像が得られることは間違いない。
  • 良い点:しっかりとした防塵防滴の鏡筒、中央の非常に優れた画質、軸上色収差の良好な補正、非点収差がわずか、優れた逆光耐性、静かで速く正確なAF。
  • 悪い点:倍率色収差にやや問題あり、周辺光量落ちが大きい、RAWでの大きな歪曲、法外な価格。

 

DigitalCameraWorldのレビューではかなり厳しい評価だったFE 24mm F2.8 Gですが、ここでは、価格はかなり批判されていますが、光学性能の点ではまずまずの評価になっています。ただ、絞るとすぐに周辺部と隅の解像力が落ちてしまうので、風景写真にはあまり向かないレンズかもしれませんね。