キヤノン「RF50mm F1.8 STM」は全体的に優れた性能でコストパフォーマンスが素晴らしいレンズ

ePHOTOzineに、キヤノン普及型の標準単焦点レンズ「RF50mm F1.8 STM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 50mm F/1.8 STM Lens Review

  • このレンズはコンパクトで、重さはわずか160gだ。EOS R5に装着しても全体のサイズはほとんど変わらない。
  • フード取り付け用のバヨネットはあるが、残念ながらフードは付属しない。フィルター枠は43mmで、これはフルサイズ用の標準レンズとしては異例の小ささだ。
  • 鏡筒はプラスチックが多用されており、出来は良いが、残念ながら防塵防滴ではない。

  • フォーカスリングは非常に細いが、グリップ感は良好だ。AF/MFの切り替えスイッチはないので、切り替えはメニューから行う必要がある。フォーカスリングをコントロールリングに切り替えるスイッチはあるが、AF/MF切り替えスイッチの方が便利だと思う。
  • 最短撮影距離は0.30mで、多くの伝統的な50mmレンズで見られる0.45mよりもかなり寄れる。最大撮影倍率は0.25倍で、この近接性能は非常に便利だ。
  • AFはステッピングモーターで、静かで素早く確実に合焦する。

  • 解像力は中央はF2.8とF2ではとても良好な値(very good)で、F2.8からF5.6では素晴らしい値(excellent)、F8からF16ではとても良好な値(very good)だ。隅はF1.8とF2では良好な値(good)、F2.8からF5.6ではとても良好な値(very good)、F8では良好な値(good)、F11からF22ではそこそこの値(fair)だ。

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  • 倍率色収差は、可能な限りの自動補正を無効にして計測した。中央は事実上色収差はゼロだが、隅では色収差は見られ、特に絞ったときに目につく。倍率色収差は後処理で補正できるが、多くの被写体では問題ないだろう。
  • 歪曲はゼロだ。驚くべきことに、このレンズは完全にまっすぐで、建築物の写真に間違いなく最適だ。
  • ボケはうるささがなく美しく滑らかだ。

  • 逆光ではフレアは概ねよく抑えられている。非常に明るい光源が画面内の特定の場所に入ると、ゴーストが発生することがあるが、ゴーストを意図的に出すには苦労する。
  • コンパクトなレンズであることから予想された通り、周辺光量落ちは若干見られる(F1.8で-2.1EV、F2.8で-1.7EV、F4で-1.4EV)が、多くのズームレンズよりはずっと良好で、全体的に優れた結果だ。

  • このレンズは全体的に非常に優れた性能でコストパフォーマンスは素晴らしいが、フードが付属していれば理想的だった。大いに推薦する。
  • 良い点:シャープ(特に中央)、中央の色収差が少ない、周辺光量落ちが穏やか、歪曲が見られない、速く正確で静かなAF、良好なフレア耐性、近接性能、安価な価格。
  • 悪い点:AF/MF切り替えスイッチが無い、フードが付属しない、絞り込むと隅の解像力が落ち込む、隅の倍率色収差、防塵防滴ではない。

 

このレンズはOpticalLimitsのレビューでは開放付近の隅の甘さが指摘されていましたが、ePHOTOzineでは開放から良好な解像力で、各収差も良く補正されていて、価格を考えれば申し分の無い性能という印象です。防塵防滴やAF/MF切り替えスイッチに関しては、安価なレンズなので割り切りが必要かもしれませんね。