シグマ「20mm F1.4 DG DN Art」は「α7R IV」との組み合わせでもほぼ完璧な解像力

PCmagに、シグマの新しい広角単焦点レンズ「20mm F1.4 DG DN Art」のレビューが掲載されています。

Sigma 20mm F1.4 DG DN Art Review

  • フォーカスリングはEマウント機ではノンリニアで、これはスチル写真家は好む傾向があるが、ビデオグラファーはフォーカスラックを繰り返すときに、ピント位置を合わせられないことに不満を感じるかもしれない(Lマウント機ではリニアに切り替え可能)。動画で使う場合はリニアに応答するFE20mm F1.8 Gの方が好みだ。
  • フォーカスブリージングはかなり目立ち、これはビデオグラファーにはもう1つの懸念事項だ。
  • AFはステッピングモーターで、静かで十分な速さだ。最短から無限遠まではα7R IVで0.3秒かかった。
  • このレンズはマクロでないがかなり寄れる(前玉からわずか数センチ)ので、ドラマチックな撮影が可能だ。

  • ラボテスト(解像力):ソニーα7R IVとの組み合わせによるテストチャートの撮影では、このレンズはほぼ完璧な性能であることが分かる。開放の解像力は画面の大部分で4900ライン、隅は4200ラインでこれはα7R IVのセンサーで際立った解像力と見なすことができる5000ラインに近い結果だ。このレンズは絞らなくてもシャープな結果を期待できる。
  • 星景の作例から、シグマの主張するサジタルコマフレアの少なさが裏付けられている。少し画角の狭い24mm F1.4 DG DN Artも登場したが、テストでは24mm F1.4は20mm F1.4ほどサジタルコマフレアが抑えられていなかった。
  • 光芒は絞り羽根が11枚なので22点の珍しい形状になり、若干もやっとしているので、光芒を追求する写真家にはFE20mm F1.8 Gを勧める。
  • ボケは玉ボケは円形で輪郭も柔らかく、うるさくは見えず、満足のいくものだ。
  • 倍率色収差はサンプルでは見られず問題はなかった、軸上色収差はよく抑えられているが、全く見られないわけではなく、画像を拡大すると確認できる。しかし、実写で大きな問題になることはまずないだろう。

  • シグマ20mm F1.4 DG DN Artは、FE 20mm F1.8 Gのような競合他社のレンズよりもシャープで明るい光学系を備えており、強力な各種コントロール機能を搭載している。ソニーのFE20mm F1.8 Gはより軽量で、散策やジンバルでのvlog撮影にはより適している。タムロンの20mm F2.8は手頃な価格だが暗く、またAFがうるさいので、ビデオグラファーは好まないだろう。
  • このレンズは適切に補正された光学系と広い画角を持ち、適正な価格で、クリエイター、特に天体写真家にとって理想的なレンズとなっている。価格、光学性能、AF性能は申し分なく、Eマウント用もLマウント用も文句なくエディターズチョイスに選出した。
  • 良い点:適切なサイズのF1.4の広角、フルサイズ対応、静かできびきびとしたAF。
  • 悪い点:フォーカスブリージングがある、ジンバルとドローン用には少し重い。

 

このレンズは、先日掲載したSonyAlphaBlogのレビューでは周辺部の解像力が低いと評価されていましたが、このPCmagのレビューでは画面全域で開放から非常に高い解像力で、ほぼ完璧な性能と述べられています。

同じレンズのレビューでこれだけ評価が異なるのも不思議ですが、解像力チャートの撮影距離やレンズの個体差等が原因なのでしょうか。あとは、実写サンプルで実力を確認していきたいところです。