キヤノンがフルサイズミラーレス用の超広角ズーム「10-20mm F4」「9-18mm F4」「11-24mm F4」の実施例を含む、広画角で広いズーム域を持ち高い光学性能を実現するズームレンズの技術に関する特許を出願しています。
- 出願人:キヤノン株式会社
公開番号:P2023005851
出願番号:P 2021108063
公開日:2023-01-18
発明の名称: ズームレンズおよびそれを有する撮像装置 - 【課題】 ネガティブリードのズームレンズにおいて、小型かつ広画角でありながら広いズーム域で高い光学性能を有するズームレンズを実現すること。
- レンズ全系が小型で、広角化が容易なズームレンズとして、最も物体側に負の屈折力のレンズ群が配置されるネガティブリード型のズームレンズが知られている。
- ネガティブリード型のズームレンズではレンズ構成が非対称となるため、諸収差の補正が難しいという課題があった。
- そこで、本発明はネガティブリードのズームレンズにおいて、小型かつ広画角でありながら広いズーム域で高い光学性能を有するズームレンズを実現することを目的とする。
- 実施例1(10-20mm F4)
ズーム比 1.88
焦点距離 10.30 14.90 19.40
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角 62.03 54.38 48.12
像高 19.40 20.80 21.64
レンズ全長 129.14 128.47 132.69
バックフォーカス 15.09 15.09 15.09
- 実施例2(9-18mm F4)
ズーム比 1.88
焦点距離 9.27 12.80 17.46
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角 64.34 58.27 51.10
像高 19.30 20.70 21.64
レンズ全長 124.52 121.90 125.00
バックフォーカス 15.37 15.37 15.37
- 実施例3(11-24mm F4)
ズーム比 2.05
焦点距離 11.33 16.19 23.28
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角 59.58 52.36 42.90
像高 19.30 21.00 21.64
レンズ全長 130.00 127.14 131.90
バックフォーカス 16.34 16.34 16.34
キヤノンからは昨年の4月にも同様のズーム域を持つ超広角ズームの特許(こちらの記事を参照)が公開されていましたが、今回はまた別の光学系が出願されており、キヤノンは超広角ズームの開発で試行錯誤を繰り返しているのかもしれませんね。
この他にも「8-16mm F4」や「9-24mm F4」などの実施例を含む特許(こちらの記事を参照)が出願されており、どのレンズが製品化されるのか注目したいところです。
今回の実施例の3本のレンズは、いずれも収差図では歪曲がかなり大きく広角端の像高もフルサイズには若干足りないので、歪曲の電子補正を前提としたレンズのようです。
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