Viltrox「AF16mm F1.8 FE」はラボテストでも実写でも驚くほど優秀で感銘を受けた

OpticalLimitsに、ViltroxのEマウント用の広角単焦点レンズ「AF 16mm F1.8 FE」レビューが掲載されています。

Viltrox AF 16mm f/1.8 FE - Review / Test Report

  • 大口径レンズは極めて値段が高くなるが、このレンズの価格はわずか549ドルで、ソニーFE14mm F1.8 GMの半額以下だ。重さも550gと負担にならない。本当にこんなうますぎる話があるのか検証していこう。
  • 鏡筒はマウントやフォーカスリングに至るまで金属製で、フードの後部も金属製で製造品質に関しては手抜きはない。フォーカスリングは滑らかに回転する。
  • 前玉は突出しておらず77mmのフィルターが取り付けられる。
  • AFはステッピングモーターで作動音は無くかなり速い。フォーカスリングはモーターによる駆動で適切に動く。フォーカスブリージングがほとんど見られないのは、動画撮影者には朗報だ。

  • 歪曲はこのレンズの驚くべき点の1つで、RAWでもほとんど歪曲が見られず(-0.286%のタル型)、自動補正は不要だ。
  • 周辺光量落ちは開放では3EVを超えるが、自動補正を有効にすると2EVになる。中程度(F4以上)に絞ると周辺光量落ちは0.6EV(自動補正有効時)まで減少し、気にならなくなる。
  • 多くの超広角レンズが画面全域で解像力を維持するのに苦戦しているが、Viltrox 16mm F1.8はここでも驚くべき性能を発揮している。中央はF1.8で素晴らしい解像力(excellent)で、周辺部はとても良い(very good)~良い(good)、隅でさえ良い(good)のレベルを維持している。F2.8で隅もとても良い(very good)のレベルに達し、ピークのF5.6では印象的な解像力になる。テストした個体の偏芯の調整はまずまずだ。像面の湾曲は小さい。

viltrox_AF16mmF18FE_mtf_ol_001.jpg

  • 倍率色収差はピーク時に画面の隅で0.6ピクセルの低い値だ。
  • 広角レンズは非球面レンズに強く依存しているので、通常はボケがうるさくなる傾向があるが、このレンズは、この種のレンズとしてはボケはそれなりに良好だ。しかし、開放では玉ボケに強い輪郭が見られ、内部には年輪が見られる。F2.8まで絞るとより輪郭が強くなり、内部の欠陥もより顕著になる。
  • 後ボケは完璧とは言えないが、雑然とした背景でもうまくボケを処理している。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は最小限に抑えられており、F1.8ではわずかに色収差が残っているが、F2.2でほとんど消失する。
  • 光芒はF4で現れ始め、F8からF16で最高の結果が得られる。
  • 逆光では極端な条件ではフレアやゴーストを発生させることはできるが、それは普通のことだ。
  • 競合するのはFE14mm F1.8 GMで、ソニーの方が少しコンパクトだが、解像力ではViltroxがわずかに優っている。しかし、ソニーの方がフレア耐性は高い。ソニーはかなり高価で前面フィルターが付けられないことを覚えておいて欲しい。

  • Viltrox AF 16mm F1.8 FEには、控えめに言っても感銘を受けた。超広角レンズの設計は難しく、その上、大口径レンズなので、設計の複雑さは大幅に増す。しかし、このレンズはラボテストでも実写テストでも驚くほど優れた性能だ。画面の中央はほとんどのメーカーのレンズがシャープだが、Viltroxは周辺部でも高画質で、F1.8とF2.2で既にかなり良好だ。これはソニーFE 14mm F1.8さえ凌駕している。もう1つ不可解な点はRAWでも歪曲がほとんど見られないことだ。また、コーティングは進化しており逆光耐性はかなり良くなっている。
  • Viltroxを知らない人も多いかもしれないが、Viltroxは侮れない存在になりつつある。AF 16mm F1.8 FEはLaowa 15mm F2を遥か後ろに置き去りにし、ソニーのとても本格的な競合機となっている。そしてViltroxはソニーよりも遥かに低価格だ。したがって大いに推奨する!

 

何日か前に取り上げた「中国製レンズは日本製レンズを凌駕し始めた」という記事で、例として挙げられていたViltroxの16mm F1.8 FEですが、OpticalLimitsによるテストでも非常に優れた結果を残していて、レビュアーはこのレンズを「控えめに言っても感銘を受けた」と述べており、4つ星のとても高い評価をしています。

このレンズは、設計の難しい大口径の超広角レンズにもかかわらず、開放から周辺部までよく解像しているのは素晴らしいですね。また、16mmの広角で歪曲がほぼ完璧に光学的に補正されているのは驚きです。逆光耐性も良くなっており、鏡筒も高品質で全体的なクオリティはかなり高くなっているという印象です。