キヤノンの「20-50mm F4.5-6.3」「20-60mm F4.5-6.3」の特許出願

キヤノンがフルサイズミラーレス用の「20-50mm F4.5-6.3」「20-60mm F4.5-6.3」などの実施例を含む、小型軽量で高い光学性能のズームの技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2023099391
    出願番号:P 2022000019
    公開日:2023-07-13
    発明の名称: ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

  • 【課題】小型かつ軽量で、高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供する。
  • 撮像装置に用いられるズームレンズは、広画角であり、小型かつ軽量であることが要望されている。広画角のズームレンズとして、最も物体側に負の屈折力のレンズ群を配置した、所謂ネガティブリード型のズームレンズが知られている。
  • 特許文献1は、物体側より像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群よりなるズームレンズを開示している。
  • しかしながら、特許文献1に記載のズームレンズでは、ズームレンズの小型化と軽量化を達成しながらも、諸収差が良好に補正されておらず、光学性能が不十分であった。
  • 本発明は、小型かつ軽量で、高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供する。

  • 実施例5(20-50mm F4.5-6.3)
    ズーム比 2.35
    焦点距離 20.61 33.70 48.50
    F値 4.63 5.88 6.49
    半画角 41.17 30.56 23.03
    像高 18.02 19.90 20.61
    全長 120.00 104.38 100.66
    バックフォーカス 10.49 20.91 31.34

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  • 実施例6(20-60mm F4.5-6.3)
    ズーム比 2.84
    焦点距離 20.61 39.47 58.50
    F値 4.64 5.88 6.49
    半画角 41.17 26.75 19.41
    像高 18.02 19.90 20.61
    全長 135.00 120.11 125.50
    バックフォーカス 10.49 11.09 11.70

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最近はパナソニックの20-60mm F3.5-5.6やソニーのFE 20-70mm F4 Gなどの20mmスタートの標準ズームが登場しており、また、タムロンも17-50mm F4 VCの特許を出願していますが、キヤノンもこれらと同じような広角側を広げた標準ズームを検討しているのかもしれませんね。

実施例のレンズが口径が小さくズーム全域で歪曲の自動補正に頼る設計になっているので、製品化されることがあれば非Lの比較的安価なレンズになる可能性が高そうです。