DigitalCameraWorldに、ソニー「α9 III」のグローバルシャッターセンサーに関する記事が掲載されています。
Why does Sony's global shutter sensor have such a high (and weird) base ISO?
- ソニーの新しいグローバルシャッターセンサーのベース感度はISO250と非常に高い。これはなぜだろうか? グローバルシャッターは、ローリングシャッターが画像を1行ずつスキャンするのに対し、全ての画素を同時にキャプチャし、完全に歪みのない画像を実現する。これは素晴らしいテクノロジーだが、高感度性能(低ノイズ)とトレードオフだ。
ソニーのセンサーのベース感度は伝統的にISO100だが、α9 III はISO250だ。ソニーヨーロッパのマーケティング責任者は、これはグローバルシャッターセンターの特性だと説明している。ソニーが公開している動画では、グローバルシャッターとローリングシャッターの違いが説明されており、基本的にグローバルシャッターはハイスピードキャプチャ(歪みのないハイクオリティな画像) 用に設計されており、ローリングシャッターは優れた画質(低ノイズで高感度)を得るために設計されている。
このためα9 IIIは、低照度下での撮影用に最大32枚の画像をコンポジットする(重ねる)ことでノイズを低減する機能を搭載している。グローバルシャッターはミラクルな技術のように思えるが、制限もある。他の写真用の道具同様に特定の目的のために設計されており、全ての目的に適しているわけではない。
高速キャプチャに特化したグローバルシャッターは画質ではやはりローリングシャッターには敵わないようなので、近い将来にハイエンド機やプロ機が全てグローバルシャッターに置き換えられるということはなさそうですね。
また、α9 III はベース感度がISO250とかなり高いですが、ベース感度でのダイナミックレンジがどのくらいあるのかも気になるところです。
コツメチャン
ソニー自らがグローバルシャッターの画質問題に切り込んだ発言をしたのは、これが初めてでは?
これからは画質優先機と速度優先機に分かれていく感じになるかもしれませんね。
そう考えると、実は積層センサーって画質と速度のバランスが非常に良いような気がします。
hhp8
なるほど、像の歪みが無くてもノイズが少し増えるのですね。でもそれぞれの頂点が用意され、以前では考えられなかったことです。
ピンぼけ
ここ数日、我々はグローバルシャッターで夢を見て、グローバルシャッターの現実を知った。それでも楽しい狂想曲でした。高感度に頼りがちなBリーグ等の屋内スポーツで使ってみたいね。
名古屋マン
ソニーの責任者が言われてる「グローバルSはハイスピード」「ローリングSは優れた画質」のコンセプトはとても理解できます。当面、私は後者を選択します。
やきうどん
なんでグローバルシャッターでは高感度が犠牲になるかの考察として
まずグローバルシャッターにはいくつかの方式があり、電荷保持方式(ソニーのFA向けはこれ)や電圧保持方式、画素並列ADC、SPADなどですが
電荷/電圧保持方式の場合、保持期間の長さ=読み出し時間に応じて画素内で発生するノイズ成分が増えていき、SN比が悪くなりそうです
画素並列ADCではADを全画素一斉に行うため、ADに使用できる電流が少なくなったり、画素内に素子を配置するためフォトダイオードのサイズやAD回路素子のサイズに制約がついたりして、AD精度に影響するのではと思います。もしかしたらADにかけられる時間の制約もあるかもしれません
α9IIIがどの方式かはまだ開示されてないと思いますが、いずれにしてもα9IIIで知見がたまり、改善していくといいですね
わさびみそ
グローバルシャッターは今後に期待ですね。これで高感度が今の積層センサー並に強くなってきたらキヤノンやニコンのフラッグシップ機も積層センサーからグローバルシャッターに置き換わっていくことでしょう。
現状では、積層センサーが死角の無さという点で優位に思いますね。メカシャッター並みの読み出し速度に、読み出し速度の遅いセンサーにも負けず劣らずの高感度。特段弱点がないというのは大きいと思います。
FTB
どんなに最先端技術でも一長一短なのが興味深い。産業用Gシャッター製品化済みのC社の対応に注目ですね。
カカオ
まずはグローバルシャッターの第一歩。
とてもすごいことだと思います。
今は画質・ノイズ・ベース感度で劣っていても、これから良くなっていくことを期待したいですね。
hakaz
撮影において何を最優先にするのかという選択肢を増やしたのが今回のα9IIIのように思えます。
元々高画素機や積層型センサーも高感度性能とトレードオフではあった(ある)訳で、それを徐々に改善した結果が今でありグローバルシャッターもいずれそうなって行くのだろうと思います。
レンズシャッター大好き
SONYのグローバルシャッターの説明で、逆にNikon Z8/Z9 のセンサーが、現時点で非常にバランスの取れた現実解で有ることがある意味よくわかりました。
とはいえ、未来を見せてくれている α9 III には、ファームアップなどを通じてより高画質化を期待したいです。
ujira
α9Ⅲがグローバルシャッターで高速キャプチャに全振り、次のα7sⅣが同じ2400万画素程度で高感度耐性に全振りしてたらそれぞれの特性が突出していて面白くなりますね
abc
今までグローバルシャッターがこれまでの全ての課題を解決した銀の弾丸と決めつけてしまっていたのかもしれません。
のむねん
とりあえずの目標だった、2400万画素でMFT並みの高感度耐性&Dレンジをクリアできた…ということで降りたGS製品化ゴーサインだったんでしょうねぇ。。
究極的に目指すのは全てを満たす有機CMOSセンサーかと思いますが、その登場は果たしていつになることやら…。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/spv/2304/04/news054.html
omd
om1使いですがサンプルを画像を見る限りでは高感度はom1によく似ているような印象を持ちました。フルサイズを使用していて高感度撮影はMFT並みとなると使う人をかなり選ぶ機種になるのではないでしょうか…
やはりカメラって適材適所だと思いますね。
らぷたん
F1.8より明るい場合SSが1/16000上限らしいのでベース感度がISO250だとISO100より4/3段高くなりますから実質ISO100,SS1/6400の露出になり既存の1/8000機より大口径レンズが使いにくくなってしまいますね。
litera
同時に情報が取得できるグローバルシャッターの特性をスポイルするようですが、よほどの高速で動く被写体でない限り、時間軸に沿って画像を重ね合わせる場合でも、従来のローリング式のスキャンより有利になり、取り込める光量を大幅に増やしたり、さらにピクセルシフトが可能ならば、色の情報量なども増える、というメリットはありますね。ただ、本当にカラーフィルターを規則的にずらすピクセルシフトをする場合(手振れ利用ではなく)、どのくらい高速でずらせるかで、手持ちが実現できるかが決まりそうですね。
野鳥撮りユーザー
もし全てを兼ね備えたグローバルシャッターセンサー機だったら当然α1後継で出しますよね
こうなるとR1は積層かな?
Mスクエア
何にでも長所短所があるようですが、そもそもデジカメが30万画素くらいから。今の1億画素超えになったように、グロバルシャッターの問題点も、行く行くは改善されスキのない性能になっていくでしょうね。
そうなるとカメラマンのすることは、潤沢なお金を用意し、構図やシャッタータイミングを訓練する事なんでしょうか。
いずれにしても、今後の発展が見ものです。
だっふんだ
画質との関係はこの説明では余計に分かりにくい気がします。
Canon C700GSもRED KOMODOもグローバルシャッターだけど、動画機だからα9IIIほどシャッタースピードが速いわけではない。それでもローリングシャッター歪みは出ない。そして、ダイナミックレンジといい画質もいい。これは必要な技術として理に適っているし、既に実現している。
α9IIIはスチル機であるからハイスピードキャプチャに拘る必要があり、(そこまで実際は必要ないかも知れないが)Z9シャッタースピード1/32000、R3の1/64000を上回る必要性があったのでこうなりましたってことだと、スペック的には相当野心的と言えるんでしょう、ある意味では。歪みはないがブレは生じるというのと、多少歪みはあるがスピードで止めてブレはないの”間”では、必要性があったとしても分かりにくくてインパクトがないですからね。
となると動画よりもシャッタースピードが必要なスチル機では、グローバルシャッターは壁が高いんでしょうかね。
以前、噂で出ていたけどR1ではグローバルシャッターは見送られるというのも納得できる気がしてきました。
2石
EOS C700 GS PLは感度は良くないですよね。
業務用は基本的に2000ルクス時の絞り数値を表示することで比較化しやすいのですが、4k時の感度は公開しておらず、
ビニング2k60p読み出し時で14ですが、
これよりももっと前に発売されたローリングシャッターの同じくSuper35のFS7は4k60p時で14ありますから。
グローバルシャッターがローリングシャッターの感度の優位性にどこまで迫れるかは今後の開発の進展を待たねばならないと思います
山田です
α9はスポーツ特化のグローバルシャッター
α1は画質に妥協しないローリングシャッター
という路線になっていくんですかね?
どちらを買う人も撮りたいもの明確でしょうからそれぞれに特化させていく戦略はありと思います。
ジェラ
方式の違いで、これしかない!って訳じゃないからこれっきりになる可能性も逆にあると思う。
その意味じゃ初号機を買うのはある意味人柱。
二号機が出るならそれは真に良いものだと思う。
sh
ソニーはNEXの頃に他社一眼ユーザーから散々な言われようでしたし。
デメリットはいずれ解消されるんじゃないでしょうか。
これだけみてグローバルシャッターはやっぱり駄目だって判断するのは早すぎると思います。
IJ
ついにα9IIIの製品版前の最終ファームウェアが米国内のレビューアーの手に渡りました。ISO250〜12,800は、α9IIと同等のノイズですので、S1やZ6IIなど他社の24MPのカメラとも変わらないレベルです(α7IIIやR3よりは若干劣りますが)。
https://youtu.be/nimf0d0wFhU?si=YZCwoSfSW_I-s-uQ
管理人
>IJさん
情報ありがとうございます。記事で取り上げさせていただきました。
https://digicame-info.com/2023/12/9-iii9-ii.html