ソニー「α9 III」と「α9 II」のRAWでの画質比較

Maginc Wedding PhotographerのYoutubeチャンネルで、ソニー「α9 III」と「α9 II」のRAWによるISO感度ごとの画質比較動画が公開されています。

Sony A9 III vs A9 II - High ISO Noise Comparison

  • α9 III のテスト機を受け取り、Lightroomもα9 IIIのRAWファイルに対応したので、α9 IIIのノイズ性能を同じ2400万画素センサーのα9 II と比較検証した。

  • ベース感度(α9 III はISO250、α9 IIはISO100)での画質の比較では、どちらもクリーンだ。拡大するとα9 III はわずかにノイズが見られるが、α9 II にはノイズは見られない。ここではα9 II の方がよりクリーンな画質だが、ISO250同士で比較すると両機はほとんど同じ画質だ。従って、α9 II は明らかにISO100が使用できることの恩恵を受けている。
  • ISO800では非常に良く似た結果で、拡大しても両機のノイズの出方はほぼ同じで、その他の違いも最小限だ。同じ設定だが、α9 IIIの方が若干暗く写っているのが興味深い。
  • ISO3200ではそれまでの感度よりも少し違いが大きくなり、α9 III の方がα9 IIよりも若干ノイズが目立つようになる。しかし、100%(ピクセル等倍)で見た場合の差は小さく、ディテールはα9 IIIとα9 IIで同等で、どちらも非常にシャープで発色も良好だ。
  • ISO6400ではどちらもノイズが増えるが、α9 III の方がより多くのノイズが見られる。しかし、それでもなお、α9 IIIのノイズはまだ100%許容範囲内で、α9 IIとの差は小さい。発色はα9 IIIは若干悪くなるが、これも十分に許容範囲内だ。
  • ISO12800では発色がα9 IIIはマゼンタに傾き、α9 II はグリーンに傾いているが、ノイズはまだ許容範囲内のレベルだ。画質はα9 II の方が優っているが、大きな違いではない。
  • ISO25600ではどちらも多くのノイズが見られるが、最悪というほどではなく、α9 IIIでも躊躇なく使うことができる画質だ。拡大するとα9 II の方がディテールは残っており、α9 III の方が少しノイズが多く、その違いは目に見えるが、大きな違いがあるとは言えない。
  • 拡張感度のISO51200では非常に大きな差が見られ、α9 III はよりノイズが多くなり、暗部の多くの情報が失われている。

  • 最低感度同士で(3段分アンダーで)撮影し3段分持ち上げた場合は、どちらも良好な画質だが、拡大するとα9 IIIが少しノイズが多い。しかし、どちらも許容範囲内だ。ISO250同士での同様の状況の比較では、ほとんど同じ画質で、α9 IIの方がむしろノイズが目立つ部分さえあった。

 

グローバルシャッターを採用するα9 IIIですが、ローリングシャッター機のα9 II とRAWによるサイドバイサイドでの比較では、高感度ノイズにそれほど大きな違いはなく、α9 IIIの高感度の画質も十分に実用的と言ってよさそうです。

ISO1万超えの超高感度域になるとそれなりに画質の差が出てくるようですが、それでもこの程度の差なら、動体メインで撮る場合は、グローバルシャッターのディストーションフリーや超高速連写の恩恵の方が大きいと感じる人も多いような気がします。