2023年の富士フイルムの新製品はGFレンズは豊作だったがXシリーズは物足りなかった

PetaPixelに、今年登場した富士フイルムの新製品のまとめと評価が掲載されています。

Fujifilm in 2023: A Big Year for GF Glass and a Boring Year for X Series

  • 2023年はGFレンズにとって大きな年だったが、Xシリーズにとっては退屈な年だった。
  • 2023年は富士フイルムはXシリーズにあまり注力せず、1機種のカメラと1本のレンズが追加されただけだった。中判のGFXは1機種のカメラと3本のレンズが登場した。
  • 2022年にX-H2S、X-H2、X-T5の3機種の優れたXシリーズのカメラが登場したので、2023年にXシリーズのカメラがX-S20だけだったのは驚くようなことではないのかもれない。
  • X-S20のセンサーは他の多くの機種に搭載されているものだが、1500ドル以下の価格帯では最高のカメラだ。
  • もう1機種の新しいカメラはGFX100IIで、このカメラはAI搭載のAF、8コマ/秒の連写など興味深い機能が多数採用されている。このカメラの仕様は全てが富士フイルムの言っている通りというわけではないが(※連写時に内部的に12bitで記録される問題のことを言ってます。こちらの記事を参照)、それでも、このカメラは優れたカメラでこれまでで最高のGFXだ。

  • レンズはXシリーズではXF8mmF3.5 R WRが唯一で、このレンズは風景写真家や建築写真家にとっては魅力的な選択肢だ。
  • GFX用のレンズはGF30mmF5.6 T/S、GF55mmF1.7 R WR、GF110mmF5.6 T/S マクロが登場した。T/Sレンズは飛ぶようには売れないかもしれないが、特定のカテゴリの写真家にとってはGFXシステム全体の魅力を大幅に高めるものだ。

  • 富士フイルムの2023年の評価:評価はメーカーの新製品の数だけに依存するわけでなく、品質と製品の果たす役割が大きく影響する。品質の面では富士フイルムは素晴らしかった。新しいカメラは2機種だけだったがどちらも非常に優れたカメラで、特にX-S20は素晴らしかった。これらを踏まえて、富士フイルムのカメラはBプラスの評価だ。GFX100IIの新機能の仕様の横に多くの注釈が付いていなければ容易にA評価が得られただろう。
  • レンズに関しては4本とも素晴らしいが、Xシリーズのレンズにもう少し注力してもよかったのではないかと思う。XF8mmF3.5は素晴らしいレンズだが、Xマウントのレンズラインナップにはもっと長いレンズが必要とされている可能性があるだろう。昨年登場したXF150-600mmは素晴らしいが、焦点距離が長く明るいレンズが無い。3本のGFレンズは見事なもので、中判システムでティルトシフトレンズをラインナップするのは素晴らしいことだ。レンズはGFXシステムは良かったが、Xシリーズのレンズにもっと愛情を注ぐべきだ。
  • 全体として富士フイルムは2023年は静かではあるが、堅実な結果を残した。同社の評価はBマイナスだ。

 

富士フイルムはXシリーズの新製品が少なかったことが指摘されていますが、供給の問題であまり多くの新製品を出せなかったのかもしれませんね。GFXに関してはレンズは非常に高い評価ですが、カメラはGFX100IIの「14bitモードでも連写時は実際は12bitで記録される」という件でかなり減点されたようです。

2023年の新製品はXシリーズのユーザーには少し物足りない年だったかもしれませんが、GFXユーザーにはかなり収穫の多い年だったと言ってよさそうですね。