パナソニック「LUMUX S 100mm F2.8 MACRO」は非常にコンパクトだが画質に妥協は見られない

Amateur Photographerに、パナソニックの新しい望遠マクロ「LUMIX S 100mm F2.8 MACRO」のレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix S 100mm F2.8 Macro review

  • このレンズの全長はわずか8.2cm、重さは300g未満で、F1.8の単焦点シリーズと全く同じサイズで重さも非常に近い。このレンズはこの小ささにもかかわらず等倍の撮影が可能だ。鏡筒にプラスチックを使用して軽量化しているが、安っぽくは感じない。
  • AFは新設計のリニアモーターで、マクロでは珍しいことにフォーカシングで2組のフォーカシングレンズ群が反対方向に移動する。
  • 最短撮影距離は20.4cmと、同種のレンズが29cm前後なので少し短い。その結果、ワーキングディスタンスは約10cmと非常に短い(シグマの105mm F2.8のワーキングディスタンスは14cm)。これは必ずしも良いことではないが、多くの人にとってこのレンズが台無しになるような問題ではないはずだ。
  • S5IIXとの組み合わせではこのレンズは他のマクロと異なりフロントヘビィではなく、バランスに優れている。
  • フォーカスリングは電子式で滑らかに回転する。デフォルトではノンリニアだが、一部のカメラではリニアに切り替えることもできる。
  • AF速度は従来のマクロレンズの弱点だったが、このレンズは驚くほどAFが速く一貫して正確に合焦する。多くの古いマクロレンズと異なり、AF-Cで問題なく被写体を追える。AFはマクロ域でも正確だ。
  • AFの作動音は非常に静かなので、動画好きの人は満足するだろう。フォーカスブリージングは非常に良く抑えられているが、マクロ域では画角がかなり狭くなる。しかし、これは多くのマクロレンズに言えることだ。

  • 画質は問題となるような収差は見られず、開放から画面の隅々まで驚くほどのレベルのディテールが得られる。F4~F5.6に絞ると少しシャープになるが、開放との差はそれほど大きくはない。F8以上では回折の影響で徐々に甘くなる。
  • ピントの合っていない部分の描写(ボケ)では、接写でもポートレートの撮影でも素晴らしい性能を発揮する。背景のボケは全体的に魅力的な描写で、ピントが合っている部分からボケた部分への遷移も滑らかで自然だ。
  • 人物がメインなら大きくボカせる85mm F1.8の方が良いが、100mm F2.8も人物撮影で実に素晴らしい仕事をしてくれる。
  • 倍率色収差による四隅のにじみや、軸上色収差はほどんど見られない。開放では四隅が少し暗くなるが、F4でほぼ解消する。しかし、未補正のRAWでは糸巻き型の歪曲が見られ、パナソニックがどのようにしてこのレンズの小型化を実現したのかについてのヒントが得られる。フィルムカメラ用のマクロレンズでは歪曲の完璧な補正が期待されていたので、この歪曲は受け入れられなかっただろう。
  • 逆光にも非常に上手く対応しており、フレアによるコントラスト低下の問題は見られず、明るい光源が画面内に入ってもゴーストの心配はない。全体としてこのレンズの光学性能は非常に模範的だ。

  • このようなコンパクトなレンズでフルサイズで等倍の倍率が得られるのは驚きだ。重要なのは画質で、このレンズは画質の妥協はほどんど心配ない。ワーキングディスタンスが短いので、昆虫のような被写体を撮影するLマウントユーザーは、シグマ105mm F2.8 DG DNの方が良いかもしれない。
  • 全体として100mm F2.8 MACROは素晴らしいマクロレンズで、中望遠マクロがどういうものなのかを再定義している。100mm F2.8 MACROはこのクラスのどのレンズよりも持ち歩くのが簡単で、光学的な品質に関しても明確な妥協は見られない。私はLマウントユーザーならすぐに購入するだろう。

 

DigitalCameraWorldのレビューでは解像力の低さから厳しい評価を受けていたパナソニックの100mm F2.8 MACROですが、ここでは開放から隅々まで非常にシャープで収差も少なく、逆光耐性も優秀でAFも速く正確と、全く申し分のない高評価となっています。サンプル画像ではボケも非常に綺麗ですね。これだけ大幅に小型軽量化してこの性能なら非常に魅力的なレンズと言ってよさそうです。