シグマのRFマウント対応製品は時間がかかりそうな雰囲気

マイナビニュースに、CP+2024でのシグマ山木和人社長のいくつかのコメントが紹介されています。

シグマ山木社長、新レンズとマウント展開、フルサイズFoveonについて語る

  • 新レンズの15mm F1.4は、山木社長が「誰が使うのか」と発言するほどニッチな商品。しかし、実際には「意外に反応が良い」というほど好評で、ブースでも手に取る人が多かったように見えた。「14mm F1.4 DG DN」と見た目は似ているが、三脚座以外は新規開発のパーツを使っているそうで、流用してコストを抑えるといったことはなかったとのこと。
  • 超望遠レンズの500mm F5.6は持ってみると分かるが、破格の軽さだ。「結構需要はあるのでは」と山木社長は語る。先端部や操作部の太さを想定し、手ブレ補正のユニットやフォーカスのモーターをどこに配置するか、レンズの配置をどうするか、すべてを想定して設計したことで、このコンパクトさと軽さを実現したそうだ。

  • フルサイズのFoveonセンサーについて、2023年のインタビューでは少しずつ進展していて2024年にも量産化の可能性に触れられていましたが、今年のインタビューでは山木社長の表現は後退しており、開発が難航している現状が告げられた。
  • シグマはまだフルサイズFoveonセンサーの開発を継続しており、製品化に向けて取り組んでいると山木社長は明言。ただ、進捗という点では「あまり進展はしていない」(山木社長)というのが正直なところだそうだ。
  • 製造パートナーも過去に変更した経緯があり、現時点ではさらに新たなパートナーを「探している段階」。フルサイズFoveonセンサー搭載カメラはそれほど大きなボリュームにはならないと見込まれ、特殊なセンサーの委託をするためには「ある程度量産化技術を確立させる必要がある」というのが山木社長の説明だ。
  • Foveonセンサーは「専用のプロセスが必要」という特殊なセンサー。そのため「現在は、設計段階でなるべく普通のプロセスを使って3層構造を実現することにチャレンジしている」そうだ。ただ、これが難しく、課題が解決できていない、という状態のようだ。現時点で、フルサイズFoveonセンサーの製品化は見通せておらず、搭載カメラの登場時期は未定ということだ。

  • CP+2023では、ニコンZマウント向けのレンズを発表したシグマ。富士フイルムXマウント向けもラインナップが追加され、キヤノンRFマウントへの展開も期待されていたところだが、現時点ではLマウントとEマウントが主力というのは変わっていない。特にRF、Zは一眼レフカメラからの移行が増えている状況で、ユーザーからの声も「非常に多く、それは認識しています」と山木社長。「何ができるかは考えたいが、今すぐ何かできることがあるかは何ともいえない状況」とのことだ。
  • Xマウント向けは「非常に好調」とのことで、これまで受注停止していたX-T5やX-S20の受注も再開したことから、さらに売上が伸びる可能性はある。
  • いずれのマウント向けも明確な否定というわけでもないのですが、現状としては「さまざまな情報を確認している」という段階のようで、RFマウント対応製品の登場やZ/Xマウントへのさらなるラインナップ拡充は時間がかかりそうな雰囲気だ。

 

フルサイズFoveonに関しては、昨日のPetaPixelのインタビュー記事とほぼ同じ内容で「現時点では製品化の見通しは経っていない」ということなので、まだまだ時間がかかりそうですね。

RFマウント対応に関しては「何ができるかは考えたいが、今すぐ何かできることがあるかは何ともいえない状況」と述べられており、近日中にシグマからRFマウント対応製品が出てくる可能性は低そうです。最近登場したRAOWAのAFレンズ10mm F2.8でもRFマウントはMFだったので、サードパーティーがRFマウントのAFレンズを出すのはかなりハードルが高いのかもしれませんね。

Xマウントに関しては「非常に好調」ということなので、対応製品の充実が期待できそうです。