ニコン「Z6III」のダイナミックレンジは低感度では「Z6II」と互角だが高感度では0.5~1EV後れを取っている

DigitalCameraWorldに、ニコンZ6IIIのダイナミックレンジとS/N比の測定結果が掲載されおり、ダイナミックレンジがPhotons to Photosと異なる結果になったと報告されています。

The Nikon Z6 III's image quality has been compromised, and we can prove it

  • Photons to Photosから、Z6IIIのダイナミックレンジは旧型のZ6IIよりも狭いという報告が挙がっている(こちらの記事を参照)。このテストによると、Z6IIIのダイナミックレンジはISO100時に最大の10.44EVで、Z6IIは同じISO100で11.26EVだ。Z6IIIはISO800までは0.6~0.7EV、Z6IIに後れを取っているが、それ以上の感度では両機は似たような性能だ。
  • Photons to PhotosのClaff氏は長年センサーのテストをしてきており、彼のテスト結果やテスト方法を批判するつもりはないが、我々のテストではClaff氏とは対照的に、Z6IIIのダイナミックレンジは低感度ではZ6IIとほぼ同じであり、ISO6400以上ではZ6IIよりも0.5EV~1EV後れを取っているという結果だった。

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  • この2機種のカメラのより注目すべき違いはS/N比で、低感度では同等だが、ISO1600ではZ6IIIはZ6IIよりも明らかにノイズが多くなり、この傾向はテストした最高感度のISO25600まで続く。
  • Z6IIIの場合、画素数がZ6IIと同じで違いはセンサーが部分積層型になっていることなので、読み出しの高速化がノイズとダイナミックレンジに悪影響を与えた可能性がある。一般的に積層型センサーは非積層型センサーよりもわずかにダイナミックレンジは狭い。

 

DigitalCameraWordのダイナミックレンジの計測では、Z6IIIは低感度ではZ6IIと同等、高感度はZ6IIに後れを取っているという結果で、低感度で大きな差のあったPhotons to Photosの計測と逆の結果になっているのが興味深いところです。実際はどちらが正しいのでしょうか。

このテスト結果が正しいければ、低感度での最高画質を重視する方には、Z6IIIは申し分のない選択肢ということになりますね。

また、S/N比のテストではISO1600以上でZ6IIIやZ6IIよりも明らかにノイズが多くなるということで、高感度ノイズに関してはPhotons to PhotosのローライトISOの計測結果と矛盾はありませんね。