ニコン「Z6」と「Z6III」の高感度ノイズの違いはディープシャドー部で顕著に見られる

Nikon Rumorsに、読者が作成したニコンZ6とZ6IIIのダイナミックレンジと高感度性能の比較テスト動画が紹介されています。

Nikon Z6 III vs. Nikon Z6 dynamic range and high ISO comparison

  • 読者が、新型機Z6IIIのダイナミックレンジと高感度性能をZ6と比較する2つの動画を作成した。

・Nikon Z6 IIIとNikon Z6のダイナミックレンジの比較(Nikon Z6 III vs Z6 Dynamic Range Compared

  • テスト方法:両方のカメラに同じ50mm f/1.8 Sレンズを装着し、電子シャッターを使用。通常の露出でシーンを設定し、シャッタースピードを倍にして1EVごとに段階的に露出不足にし、最大で-10EVまで撮影する。すべてのRAWファイルをPhotoshopに取り込み、通常の露出と同じ明るさになるように後処理で露出を調整。シャープネス以外のACR設定はすべてクリアし、ノイズリダクションは無効にする。

  • 結果
    0~2EVアンダー:両カメラのノイズに顕著な違いは見られない。
    3EVアンダー:暗いシャドー部にわずかなノイズの違いが見え始める。
    4EVアンダー:Z6IIIのノイズが目立つようになる。特にシャドー部で顕著。
    5EV~6EVアンダー:Z6IIIのノイズがさらに増え、画像が使える可能性が低下。
    7EV~8EVアンダー:ノイズが非常に目立ち、Z6IIIは明るい部分でもノイズが増加。
    9EV~10EVアンダー:画像がほとんど認識不能になり、Z6IIIはZ6に比べて全体的にノイズが多い。

  • 結論:ダイナミックレンジの違いはディープシャドー部で顕著で、Z6IIIはベースISOでのダイナミックレンジがZ6よりも狭い。通常の使用では、5EVまでのアンダーに抑えるのが望ましい。Z6IIIはノイズが多いため、増感する場合はZ6の方が優れている。

・Nikon Z6IIIとNikon Z6 の高感度ノイズの比較(Nikon Z6 III vs Z6 High ISO Compared

  • テスト方法:同じ50mm f/1.8Sレンズを使用し、絞りはf8に設定。ライトグレーのカードでホワイトバランスを設定し、照明は5600KのLEDパネルを使用。カメラは三脚に取り付け、リモートでシャッターを切る。 ISO100から撮影を開始し、シャッタースピードを倍にしながらISO51,200まで撮影する。PhotoshopとACRでRAWファイルを処理し、すべての設定をゼロにリセット。カメラのニュートラルマッチングプロファイルを使用し、シャープネスを45/0.7/35に設定。ノイズリダクションは無効に設定。

  • 結果
    ISO100~400: 両カメラのノイズ性能に目立った差は見られない。
    ISO 800~3200: ノイズが増え始めるがまだ大きな違いはない。Z6IIIの方が若干ノイズが多い。
    ISO6400: ノイズの違いがより明確に見えるようになる。
    ISO12,800: ノイズの違いが明らかに見えるようになり、特にディープシャドー部で顕著。
    ISO 25,600: ディープシャドーのノイズが大幅に増加。Z6IIIのノイズがZ6よりも明らかに多い。
    ISO 51,200: 両カメラともノイズが多いが、Z6の方がノイズが少ない。カラーパネルでもZ6の方がノイズが少ない。

  • 結論:主にディープシャドーでノイズの違いが顕著(Z6IIIの方がノイズが多い)に見られる。12,800以上のISO設定でノイズの違いが明らかだ。

 

Z6とZ6IIIの比較動画では、ダイナミックレンジも高感度ノイズもZ6の方がZ6IIIよりも優れているという結果で、これはPhotons to PhotosのDxOアナライザによるZ6IIIのテスト結果を裏付けるものとなっています。Z6IIIは部分積層型センサーを採用してZ6よりも読み出しを高速化していますが、それがダイナミックレンジと高感度性能に結構影響しているという印象です。