一眼レフカメラの販売はますます困難になってきている

phototrendに、リコーフランスのマネージャーのインタビュー記事が掲載されています。

Interview Ricoh / Pentax au Salon de la Photo 2024

  • (今年の業績は?)
    非常に好調に推移している。全体的な数量では当社が他のメーカーに大きく遅れをとっているのは確かだ。一方、利益率では素晴らしい結果を残しており、4会計年度連続で黒字を計上している。当社が利益を上げているのは、(GRIIIやWG、PENTAX 17のような)その分野で目立っているニッチ製品があるからだ。

  • (PENTAX 17の成功には驚いたか?)
    2年間にわたって多くのリサーチを行い、フィルム写真に対する関心が高まっていることをすでに確認していた。この市場は本当に復活を遂げており、中古カメラ販売に関する数字も印象的だった。このため、新しい保証付きのフィルムカメラを市場に投入することを決定した。6月に製品を発売し、出だしはとても好調だった。その後、夏の終わりには需要が低下してきており、現在、需要が再び増加するかどうかを見守っているところで、長期的な成功を収められるか、後継機が登場するかはまだわからない。

  • (一眼レフカメラに新しい顧客を呼び込むことができるか?)
    正直言って、一眼レフに新しい顧客を呼び込むのは難しい。一眼レフの市場は縮小し続けている。売上はそこそこあるが、下降トレンドであることは明らかだ。

  • (2024年に一眼レフをどう売っていく?)
    ますます困難になってきている。最初の頃は光学ファインダーのような要素を強調することができたが、その後、EVFの技術が大きく進歩しており、その他の技術的な進歩もある。正直なところ、これ以上は我々の現在の戦略には含まれていない。この分野での売り上げが減少しているからだ。この種の製品は引き続き提供していくが、現在では重量やサイズといった基準が消費者にとって重要になっている。したがって、これらの機種の利点を宣伝するのは難しくなっているが、光学ファインダーの魅力を今も評価する人には(一眼レフは)響くものがあるだろう。しかし、一眼レフは若い世代が求めるものではなくなってきている。スマートフォンとともに成長してきた彼らの写真に対するアプローチは異なっており、これが我々の戦略的な選択において考慮しなければならない現実だ。

  • (K-1 Mark III はいつ登場するのか?)
    残念ながら、今後発売される一眼レフカメラに関する情報はない。

  • (ミラーレス市場参入は完全になくなったのか?)
    この件に関する情報はない。いつかまたこのテーマに戻って来ることがあるのか、それとも完全に終わった話なのかは分からない。

  • (GRIII後継機はいつ登場するのか?)
    GRIIIシリーズの売上は極めて好調で、生産能力を増強する必要がある。後継機に関する情報は全く出てきていないが、後継機が出ること自体は不自然ではないかもしれない。個人的には固定焦点距離を維持すべきだと思う。理想を言えば、新しい焦点距離の選択肢やモノクロバージョンがあればと思うが、これは根拠のない話だ。

 

リコーはGRシリーズやWGシリーズ、フィルムカメラのPENTAX 17などが好調で利益も出ているようですが、一眼レフでは苦戦しているようですね。一眼レフに関しては「ますます困難」「下降トレンド」「若い世代が求めるものではない」とのコメントで、かなり厳しい状況なのが伝わってきますが、伝統のKマウントをなんとか存続して欲しいものです。